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第93回アカデミー賞予想

 第93回アカデミー賞授賞式直前ということで、今年も勝手に受賞予想を書いておきます。今年は配信のおかげで、短編やアニメーションも含め全ノミネート作品のうち14本観ることができました。

☆作品賞 「ノマドランド」

☆監督賞 クロエ・ジャオ「ノマドランド」

☆主演男優賞 チャドウィック・ボーズマン「マ・レイニーのブラックボトム」

☆主演女優賞 キャリー・マリガン「プロミシング・ヤング・ウーマン」

☆助演男優賞 サシャ・バロン・コーエン「シカゴ7裁判」

☆助演女優賞 ユン・ヨジョン「ミナリ」

やはり「ノマドランド」は強いのではないかということで作品&監督賞に。「プロミシング・ヤング・ウーマン」は性犯罪者に復習する女性の話だし、BLMやMeToo運動など最近のアメリカの情勢を反映した内容になるのではないでしょうか。

追加で観たノミネート作品と「アンモナイトの目覚め」の感想も簡単に。

「マ・レイニーのブラックボトム」

故チャドウィック・ボーズマンが闘病中の作品。「ブラックパンサー」の時からだいぶ痩せてしまって最初は痛々しかったのですが、演じたレヴィの辛い過去とキャラクターと相まってむしろ役作りのようにすら感じられました。ヴィオラ・デイヴィスのマ・レイニーへの寄せっぷりも素晴らしい。なんとも皮肉なラストが胸に刺さる。

「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」

負のスパイラルから抜け出すには誰かの助けが必要。「努力しないやつにはチャンスすらないよ!」と少々荒っぽいながらも主人公を叱咤激励するおばあちゃんが最高。(不良の友達にミシシッピのスペルを聞くシーンと猫Tシャツも)実話ベースなので、エンドロールで本人の写真が出てきた時にあまりに似ていてびっくり。

「隔たる世界の2人」

いわゆるループものというジャンルを使って、アメリカで黒人として生きるってこんな感じなのか・・・と疑似体験させる演出にうなる。つい最近も同じような事件があったし、BLMのきっかけとなったジョージ・フロイド事件の判決が出たばかりなので非常にタイムリー。「またか」と慣れてはいけないし、アジア人へのヘイトクライムが増えているように自分だって被害者になりうることを忘れてはならない。

「アンモナイトの目覚め」

「燃ゆる女の肖像」が動ならこちらは静。化石の発掘で泥だらけになることで、通じ合い変化していく2人の表情が素晴らしかった。やはりシアーシャ・ローナンは編み込み女優ナンバーワン。メアリー・アニングのことをこの映画で初めて知ったけれど、フィクションでここまで描いてしまっていいのか?と少々気になった。

 緊急事態宣言で東京の映画館の大部分は休業となりアップリンク渋谷は閉館が決まってしまい残念ですが、お祭りはお祭りなのでアカデミー賞の発表を楽しみに待ちたいと思います。