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「ロイヤルホテル」


 「アシスタント」に続きキティ・グリーン監督とジュリア・ガーナーが再びタッグを組んだ「ロイヤルホテル」を観たので感想を。前作の舞台は映画業界でしたが、今作ではオーストラリアの荒れ果てた田舎のパブでワーキング・ホリデーをすることになった女性二人が受けるパワハラ・セクハラを描いています。
 フィンランドの女性バックパッカーが実際にハラスメントを受ける様子を撮影したドキュメンタリーが元になっていて、実話ベースというのが本当にゾッとするくらいの差別的言動の連続。水面下のハラスメントもきついけれど、あからさまなのもまた別のきつさ。「女性は愛想良くしろ」「多少の下品なジョークは笑って流せ」という無言の圧力は酒場だけでなく、他の業界でもいまだにあるなと思います。一見味方のような男性も、下心があったり彼女たちを所有物のように思っている一面が垣間見えるのがリアル。旅行者が旅先で恐ろしい目に遭うのはホラーやスリラーの定番ですが、それを使って常にハラスメントに晒されるのはゾンビや殺人鬼に襲われるくらい恐ろしいことなのだと描いているのが効果的でした。
 またずっとしんどいままで終わるのかと思いきや、爽快感すらあるラストにびっくり。前作ではひどい状況を受け入れざるを得なかった主人公が「こんなの絶対無理!」と一矢報いる姿は、新しい「テルマ&ルイーズ」のようでもありました。

ベジミールスにエビの炒め物追加

 今年の猛暑は体力だけでなく気力も奪っていき、「メイ・ディセンバー 揺れる真実」とかA24「HOW TO HAVE SEX」も観たかったのに上映期間が終わってしまいそう。どこかのタイミングで観られたらいいな。食欲はあるのに何が食べたいのか分からないという虚無も珍しくやってきて、そんな時こそカレーで解決。
前にいって美味しかった久我山の「アミカル」でベジミールスを食べたらだいぶ回復しました。ちなみに見出し画像の人面犬は久我山駅にあった看板のものです。
 我が家のお盆は通常営業ですが、台風も来そうだし大きな地震もあったのでどうか皆様安全第一でお過ごしくださいませ。