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だからHigh Tech Highは素晴らしい(再訪記2018.09)

2018年9月ー
自分が教育に携わるようになって、改めてHigh Tech Highの教育を見たいなと思ってサンディエゴを訪れました。

授業の時間なのに、生徒が多数廊下をうろうろしている。
青空の下、芝生の上で輪になって話している生徒たち。

あー、この光景懐かしいなぁ。これぞHigh Tech Highだと思いました。

先生が何か一方的に話すのではなくて、基本的にグループワークで話し合いをしたり、何かを創り上げたりする授業なので、生徒が教室でちゃんと椅子に座って講義を受けてる方が珍しい学校です。

後輩たちの姿を見つつ、恩師の教室を訪れました。

ジョン・サントス氏。当時は生物学の先生でしたが、今はEnvironmental Science (環境科学)を教えておられます。私はジョンの教員生活の初年度の教え子です。

いつもYUKA OKA------!とフルネームで私のことを呼んでくれた先生です。この日も、"YUKA OKA-------!"と呼んでくれました。

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私が在学する1年前のフィールドトリップで、メキシコに行った際にガイドをしてくれたのがジョン。その時の生物や環境の話がとても面白かったから
High Techの先生にスカウトされたという異色の先生。

当時からとってもフランクで、いつもお菓子を食べながら生徒と一緒になって色んな話をしてくれる人気の先生。

今回久しぶりに会ったジョンは、当時よりも更に楽しそうでキラキラしていました。次はどんなプロジェクトを生徒にさせようって、ワクワクしている姿がとても魅力的でした。



アートの先生、ジェラミー。

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ジェラミーのアートは、本当にかっこい!
学校中に生徒たちの作品が飾られていて、ディスプレイになっていておしゃれなんです。ジェラミーも大人気の先生で、生徒たちの信頼がとても厚いのです。

あと、『Most likely to succeed』の中に登場するブライアンも在学中お世話になってました。


先生と生徒の距離感

ふつうアメリカの高校では、先生のことを名字で呼ぶそうです。だけどHigh Tech Highでは、先生のことをあえてファーストネームで呼ばせます。

だから生徒は先生たちに、友達かの様に「ねぇジョン聞いてよー」って気軽に話しかけます。先生たちもそれを当然だと思って接してくれるから、気兼ねなく何でも話すことができます。

1クラス25人、学年で100人だから先生もよく生徒のことを見れるし、コミュニケーションをとれるんです。生徒をよくみるために、小さいクラス、小さい学校になっています。

クリエイティブな作品がたくさん飾られているジョンの教室を案内してもらいながら、ふと何でテストをしないのかを聞いてみました。

「クラスが小さいと生徒のことをよく見れるから、どの子がテストすると
良い点が取れて、どの子にもっとフォローが必要かってことはテストをしなくても分かるんだ。成績をつけるためにテストをすることは出来るけど、
テストが生徒たちの学びの役に立つとは思わないんだよね。」

評価は生徒を成長させるものである、という価値観が根付いているからこそ、逆に大学進学のための評定をつけることに意味を感じない、とも話してくれました。

ランチタイムになったので、ジョン、ジェラミー、スコットと一緒にランチをしました。この学校の先生たちは本当に仲が良いです。

「私立で働ければもっと給料高いのにねー」
「本当だよー」

なんて冗談を言いながらも、High Tech Highで働くことを楽しんでいます。プロジェクトは教科横断型で設計されます。一人ひとりが素敵な先生たちが、コラボレーションすることでまた大きな科学反応が起きます。

生徒をクリエイティブにしたいのなら、先生がクリエティブであることは必然です。
先生たちが楽しんで良い空間を作っているから、ハイテックにはポジティブな空気が流れているんだと感じたHigh Tech High訪問でした。

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