親友とブルーハーツとマクドナルドへのラブレター
10時間も寝てしまった朝はなんとなく気だるい。布団の中でさっきまで見ていた夢を思い出していた。マーシーが出てきたのをふと思い出し、ブルーハーツをかけて机へ向かう。今日も勉強を頑張らなくちゃ。
高校三年生のときも勉強を頑張らなくてはならなかったし、今とやるべきことはそんなに変わらなかったはずだ。でも、あの頃を思い返すと、浮かぶのは学校終わりに親友とマクドナルドに毎日入り浸り、音楽の話や将来の話をする日々。なんとも楽しい思い出で、今でも親友とあの頃についてよく語る。その親友がブルーハーツを教えてくれた子でもある。
高3の受験期にヒロトとマーシーに憧れて色んなロックを聴いた。ハイロウズとクロマニヨンズはもちろん、ビートルズは元々好きだったしクラッシュやダムド、ピストルズ、チャックベリーやローリングストーンズやエルビスプレスリーなど。それでも、毎朝ちゃんと高校に行くために聴いていた曲は、必ずブルーハーツの「人にやさしく」と「情熱の薔薇」であった。
受験勉強が始まる頃だろうか。わたしは親友の進路を決定させる事件を起こす。彼女をこんなふうに誘ったのだ。
「一緒に◯◯大学行ってバンドを組まない?」
この一言で友達の進路を決定させようとするわたしも、この一言で進路を決めてくれた親友も、あの頃は馬鹿だったなあと言う。しかし、実はわたしにとって心の底から愛おしい思い出の一つである。そして、二人はマクドナルドで語る毎日を続け名古屋大学を受験した日にもマクドナルドに集まったのだった。
大学へ入ると二人でギターを買いに行き、軽音サークルに入った。はじめてのライブでブルーハーツのコピーをした。このライブが一番思い出に残っている。この後もクロマニヨンズやハイロウズのコピーを数回した。ライブ自体楽しいことだが、自分の好きなバンドをコピーしているときが一番楽しい。彼女には本当に感謝してもしきれない。大学時代にあの子がいなかったら何をしていたのだろうか。バンド活動の日々も、世界一楽しいカラオケも、世界一真剣な恋バナもなかったかもしれない。
大学四年生になったわたしたちは就職活動を終えて岐路にいる。わたしたちはずっと一緒にいられるわけでなく、それぞれの人生があることにだいぶ前から気付いていた。でも、資格勉強を一人でしていると寂しさに襲われる。高3の受験が辛くなかったのはあの子がいたからなんだな・・・と。
一生彼女の親友でいたいし、いくつになってもブルーハーツを聴いてマクドナルドに行くたびにきっと彼女のことを思い出すに違いない。ここに書ききれないほどの思い出や愛や、なつかしさが爆発してきたところで書くのはここら辺にして勉強に戻ろうと思う。さっきよりもずいぶん気分がいいから、勉強も頑張れそうだ。
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