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笑にもすがる思いで

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自身のガン治療中は藁にもすがる思いでしたが、笑にもすがることが多かったです。ガン治療実体験の中でクスッと笑える出来事や面白話をまとめてみました。時には全く治療に関係ないのもありま…
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#抗がん剤治療

#1 41歳お笑い芸人が「ガン」になりまして・・・

************************** 「下咽頭がんの疑いがあります」 え?かりんとう?お菓子の? 違う! かいんとう?がん?えっ? 岡安は突然「ガン」と闘うことになりました。 ************************** 世界中がコロナウイルスで大混乱の2020年。 イベント、ロケ、お笑いライブなどの相次ぐ中止が重なり仕事が大激減。そんな芸歴20年のお笑い芸人に追い打ちをかけて襲い掛かってきた病魔が… 「ガン」でした。 もう何が何だか分か

#15 凪いだ心で検査結果を聞く

検査の期間は毎朝、近所の神社にお参りに行ってから病院に向かっていた。 この日はいつもより少し長く手を合わせた。 何卒御守り下さい よし、準備は整った。検査結果を聞きに出発。 バスの中でゆうちゃんが聞く ゆ「結果怖い?」 岡安は答える 岡「いや、なんか大丈夫だよ。なんだろうね、 あんなに怖かったのに今はすごく落ち着いてる。」 凪いだ心は病院に向かうバスの揺れでは波立たなかった。 病院到着。 ついてすぐに先生のところへ 岡「失礼します」 先「お座り下さい、検

#23 副作用

************************ なかなか寝れず朝6時くらいに少しだけ寝る。 起きた時に貧血のような感じになり、 採血したあとは顔が白い。 血の気が引いているのは確実で なんとも例えようのない気持ち悪さ。 でも例えてみよう。 わかりづらい? 船酔いとも違う、二日酔いも全然違う。 んー。難しい、だるい。 例えるのやめよ。 点滴スタート。今日は6時間半点滴。 水を飲んで横になると少し落ち着いた。 朝ごはん食べてまたしばらくすると吐き気、 ずっし

#24 おじさんなんだけど、この病気は若い類になるの?

第1クールの投与から3.4日経つと体はだいぶ楽になった。 1日目がツラいのと今だにご飯があまり食べれないくらいで、 ゆっくりと治療前のいつも通りの体に戻ってきているのがわかる。 看「岡安さん回復早いですね、やっぱり若いから」 と言われた。 え? 若い?いや若くないでしょ。もう41歳だよ。 多分看護師さんより全然俺の方が歳上だと思うし。 ん…確かに一緒の病室のメンバーの中だと最年少だ。 でも同じフロアにするとそうでもない。 普通に若い大学生くらいの人がいるから、

#25 ベットカーテン越しに聞こえてきた煙論と正論。

投与して一週間。だるさもなくなり食欲も80%くらい戻ってきた頃の病室の話。 岡安の病室は4人部屋で、同じような耳鼻咽喉科系の方とは別に泌尿器科の患者さんもいた。 その方々は何の病気かは詳しくはわからないが 大体2〜4日で手術して退院して行く。 だから、隣の人とお話するとか病気の情報を共有したりといったコミュニケーションはなかった。 でもカーテン越しには色々聞こえてくる。 イヤフォンしてんだけど歌っちゃう人や 昼寝の寝言がハイパーでっかい人も。 裁判中の速記係?ってく

#26 退院前日に出た病院のチャーハン

色々検査をして免疫力の低下などもなく、 日常生活に特に問題がないと診断してもらい、 ついに明日退院が決まった朝。 いつもと違う昼食メニューが献立表に記されていた。 炒飯!!!! えーーーーー!うそーーーーー! なんという事だ! いつも白飯におかずが何品かなのに、まさかの炒飯。 岡安の大好物だ。 これは2週間の入院で初めて。 しかも明日から一時退院。 タイミング的にはまるで退院祝いだ! これは嬉しい。 朝ご飯を終え、薬を飲んで、 歯を磨きうがいの いつもの口腔ケアルー