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熱々のラーメンとトリオの仕業

午後2時を回った頃、ようやく食事にありつけた。
カレーにするか、ラーメンにするか迷ったあげく、
どうせ一人で食べるならカウンターでササっと片付けてやろうと
ラーメン店に入った。

店内は思ったより人は多く、腹を空かせた男性が多いように思えた。
メニューは、ラーメンに餃子、チャーハンのセット。
上手なセットを考えるよな〜。
頭の中では、ラーメンとチャーハンの小さいやつがあったら・・・
なんて思っていたが、
写真付きでど〜んとセットを見せられると注文してしまう。
しかも、後からやってきた隣の席の男は、
私より先にこのセットを注文するもんだから、釣られたわけではないけど、
同じものをお願いしてしまった。

ここのラーメンは、何度も食べたことがある。
醤油の濃い味を、鶏がらスープが穏やかにしている。
甘さを感じるのは、表面いっぱいひ広がる背脂の仕業かもしれない。

柔らかめのメンマに4,5枚のったチャーシューも薄っぺらくトロトロだ。
沈んだメンマは麺を救い上げた時に一緒に姿を現す。
ごん太のメンマの歯応えも好きだが、ギュギュっと歯応えはあるが、
口の中で溶けていきそうなこのメンマも嫌いじゃない。

チャーシューの咀嚼は5回くらいがベストじゃないかな。
舌触りが肉を食べているという実感を持たせ、脂身と一緒に口の中でフェードアウトしていく。チャーシュー麺を頼む人も多いだろうな。
食べるのが楽しい。

背脂と同じくらい表面を覆い尽くすのは、青ネギ。
気持ち太めに切られたネギは、格別のシャキシャキ感を主張する。
青ネギ臭さがないわけじゃない。
他のトロトロたちの中にいて、一人、歯応えを楽しませてくれる。

さぁ、早く麺を食べろよ!
そう思った人もいるだろう。
麺から食べなかったのには、訳がある。
ここのラーメン、熱い。今日だけ?私だけ?わからないけど、熱い。

麺は細麺で断面は丸い。
スープが熱いからか、麺は柔らかめだ。
フーフーっと麺を冷まして、ズウ〜ズウ〜ズウ〜っと、
3度啜って口に頬張る。
口の大半は麺で占拠される。
細麺の割に一緒に連れてくるスープの味はふわ〜と鼻から抜けていく。
醤油の塩味を和らげるために、チャーハンに手が伸びる。

チャーハンはラーメンのスープよりも茶色くて、味が濃い。
ラーメンの塩味を和らげるために口に運んだチャーハンが濃い。
チャーハンも卵の甘さと食感が優しくしてくれてはいるが、
麺が1番優しい。
つまり、ラーメンのスープの箸休めにチャーハンを食べ、
チャーハンの箸休めに、麺を頬張る。
このループが始まる。

ここに餃子というジョーカーが入る。
この餃子も熱々で来るので要注意だ。
熱々の食べものは基本的に、味がわからない。
底はパリパリを超えて、バリバリくらいの歯応えに焼き上げ、
皮も比較的厚めの食べ応えしっかり系の餃子は、
その皮を噛み切った瞬間、自己主張の強いニンニクが現れる。
他の具材も存在には気付いたが、ニンニクの強さに麻痺する。
口の中はニンニクのコーティングをされ、
ラーメンの塩味や背脂の甘さを忘れさせてくれる。
気付けば、ループの中に餃子が入ってきた。

当たり前だが、かなりの満腹感がある。
最後に少し冷めた麺を頬張り締めとしたい。
麺の食感は柔らかく、連れてきたスープで余韻を楽しみながら、
店を後にする。
このセットも悪くなかったな・・・お腹がはち切れそうだけど。

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