見出し画像

不確定日記(水無月)

 オリーブオイルが高い。こういうことはあとで読み返したときに絶対忘れているから日記に書くべきだ、と思ったので書いた。

 昼から電話で打ち合わせ。すぐ脱線する私の話をやんわりまとめようとしてくれる編集氏。まとまらなかったので明日また話すことになる。

 午後、梅干し用の梅も届いて追熟していたののヘタを取り洗って塩に漬ける。コロコロと容器の中に重ねていく景色は、最近隙があるとやってしまう「スイカゲーム」に似ている。
 そのあと画材店に額縁を買いに行く。小さいのをいくつか買って、しかし家にあるものの確認をしてこなかったので確実に必要なものがわからず、明日も買い物に行く覚悟をした。
 色々ひっかかったり外れたりしがちな歯列矯正の器具を外したことにより、餅が自由に食べられるのだ、と気づいたので、最近餅菓子を食べたい気持ちが高まっている。デパートの地下に行ったが、行列に並んで高級な菓子を買うほどの一日ではないので、ただ通り過ぎようとして、有名和菓子店とデパートのコラボでミニチュアの菓子が入ったガチャガチャがあり、ひとつ購入した。五百円だから、大福をひとつ買うよりも高い。ダイヤルを回すと、とても小さな虎屋の羊羹が出てきた。食べられない。
 電車に乗り、最寄り駅の近くの和菓子屋に寄ると大福がなかったので、水無月(三百五十円)を買った。近年この時期になると見かけるが、子供の頃は東京にはなかったように思う。実はほとんど食べたことのない菓子。帰ってコーヒーを淹れて食べてみると、下半分がういろうなので、ある程度の餅食べたさが満たされた。

 絵の具や額を広げていたので夕食を食べるスペースを作るのに手間取り、夕食は遅くなった。一皿で済ませたいのと、冷凍ごはんを切らしていたので、ニンニクを炒めたオリーブオイルで鶏肉を焼き、そのフライパンにプチトマト、マッシュルーム、ちょっとずつ余っていたペンネとマカロニを混ぜたものと水と塩をどさどさ入れて蓋をして煮込む。途中でスイカゲームをし始めたが、ベランダのプランターにはえているバジルを思い出し、暗いので携帯電話のライトで照らして摘んだ。オリーブオイルはちょうどなくなった


そんな奇特な