不確定日記(妖精の歌と踊り(誤))
わたしが小学生の中頃から父と母が小さな事務所を運営していたので、夕方まで家にほぼ1人でいて(正確には祖父もいたが、わたしは彼と雑談したことがない)、習い事のない日はずっとテレビを観ていた。アニメやドラマの再放送、ワイドショーや子供向けのバラエティ番組。観ながらおやつを食べたし、本もテレビをつけながら読んだ。だからテレビが好きだが、それは、求めてやまないというよりは、ないと困るといった類のものだ。今でも仕事中などにずっとドラマを見ているが、「面白いの?」と聞かれると困る。好むと好まざるとに関わらずただ観ている。もちろんすごく好きなのもあるが、創作物として好みでないからといって、「観たくなくはない」。なんというか、街の景色とか、スーパーに並ぶ日用品のパッケージのようなものだ。そこにあれば見る。
「アレフ」はちょうど留守番の頃に見ていた子供向けのドラマで、近頃YouTubeで無料で見られるようになったので仕事中流していると、子供の頃と同じように、毛むくじゃらのエイリアンの生活がただ近しくそこにある。
我が家の風呂の給湯器から流れるメロディが、有名なピアノ曲だよ、と教えてもらったのだが、いつも「〇〇の×と△」と言うことしか思い出せず、当てずっぽうで言ってみてははずれる。昔習っていたフルートの曲で「妖精の踊り」というのがあったので、まずはじめに「妖精の歌と踊り」と言ってしまう。ほんとうは、「人形の夢と目覚め」だ。
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そんな奇特な