不確定日記(断片的な散歩)
朝には豪雨だったので傘を持って出たが、外はもう風だけになっていた。歩くのに苦労するほどの強風で、それなら髪の毛のセットなどするのじゃなかったと思う。風に向かって歩くので精一杯なので、今何か飛んできても避けられない、と思ったが、いつ何か飛んできても避けられはしない。マンションのゴミ置き場に出しっぱなしになっている段ボールの束がドロっと溶けていた。
友人たちと待ち合わせて、カレーを食べる。「中1.3階」くらいの位置にある窓に向かったカウンター席は通りを遠慮なく見ることができて楽しい。食べたかったやつだねーと言いながら食べ終わってあたりを少し歩く。新しいビルに向かって歩いていたつもりが、突然懐かしい場所に出たりする。そことここが近いなんて、まったく思っていなかったので、世界が組み替えられてしまったような、記憶が改竄されているような、落ち着かない気持ちになる。空はもう晴れているがたまに少し降ったりした。
知らないビルを通り抜けて駅の逆側の別のビルまで行けるのではないか、という話になり、見知らぬピカピカした通路を通る。「たんけんぼくのまち」を思い出す。こんなに複雑で立体的な地図を模造紙にマジックで描くのは無理だ。そもそも渋谷出身ではないからここは「ぼくのまち」ではないし、渋谷駅の周辺は再開発が始まる前からどうしても方向を理解できない。友人たちについていく。また知らない通路を通って、知っているビルの地下でみんなでおはぎを購入して帰った。
そんな奇特な