過去記事より(2013.08.13)

2020.08.13(木)
7年前の今日。今年で、岡山自主夜間中学校を設立して3年数ヶ月。ここに至るまで何年も全国各地にカバン一つ持って一人準備を進めていました。今では全国の自主夜間中学の中で最大規模に成長しました☺️

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(以下2013年8月13日の記事)
少し長めの文章ですが、最後まで、読んでいただけるとありがたいです。
 夜間中学校をご存知ですか?定時制高校は知っていても夜間中学校はあまり聞いたことがないかもしれません。「男はつらいよ」で有名な山田洋次監督の映画「学校(4部作)」で一番最初に取り上げられた舞台が、夜間中学校でした。夜間中学校は、さまざまな理由で小・中学校を卒業していない人が、文字の読み書きをはじめ、数学、英語、社会、理科などを学ぶ学校です。現在、東北には、夜間中学校はありません。福島で今はまだ自主夜間中学校という形態ですが、夜間中学校の本格的な成立にむけての動きがあります。福島滞在中に、自主夜間中学校に参加させて頂きいました。写真の70歳を超えておられる男性は、英語を勉強したいとこの夜間中学校に通われています。「僕は、筆記体をかけるようになりたい。」と言われ、筆記体を何度も一緒に練習しました。今まで、筆記体を学びたくても英語ノートの表紙の裏についている書き順などがない筆記体でしか学ぶことができなかったそうです。見よう見まねで練習されていたそうです。だから、書き順や単語の綴り方にとても困られていたそうです。練習する中で、「こういうふうに書けばよかったんだ!ずっと悩んでいたんだよ、、、」と一つ一つの文字をマスターするたびにうれしそうな表情で話してくださったことが今でも忘れられません。また、ある60代の女性の方が、少し遅刻してこられたのですが、僕が、「そんなに気にされなくても今からやりましょう」と言うと、「いえ、もったいないんです。いつも授業があるわけではないので、少し遅れたとしてももったいなくて、、、遅れたことが悔しいんです。」と言われました。僕は、ハッとしました。
筆記体をマスターしたい男性もこの女性も「学ぶこと」に切実なんです。生涯学習の時代と言われていますが、義務教育段階の学習内容を学ぶことをどう感じられるでしょうか?英会話や楽器などを習うこととはとてもかけ離れていると思います。ここに集う一人一人の学びの強さは生半可なものではありません。ゆえに、特に、学びたくても学べなかった人の気持ちや現状を、今の中学生をはじめ高校生、場合によっては大学生に教えてやりたいと思いました。学べることがどんなに恵まれていて、ありがたいことかを。
 福島の自主夜間中学校は、月に数回程度しかありません。スタッフ不足も大きな要因です。そして、福島に限らず全国に声なき声があるはずです。今後も、僕ができることをやり続けていきたいと思っています。
 最後に、自主夜間中学校に参加して、改めて教育の大切さと学ぶことの熱意、教えることの責任の重たさを再確認しました。
*写真の掲載については、許可を頂いています。
 許可の話をさせて頂く中で、「僕は、悪いことをしているんじゃない。むしろみんなに70超えても勉強していることをみてもらいたい。」とおっしゃていました。まさに、その通りです。
*山田洋次「学校」:夜間中学校に勤める黒井はある日校長に呼び出され「そろそろ異動を」と薦められていた。しかし黒井は「私は夜間に根を生やして『古狸』と呼ばれたいんです」とつっぱねる。黒井のクラスには働きながら夜間に通うカズ、中学校を不登校になったえり子、不良のみどり、日本の社会になかなか馴染めない中国人の張、焼肉屋を経営するオモニ、脳性麻痺で言葉の不自由な修、そして長年の肉体労働で身体を酷使した競馬好きのイノさんがいた。それぞれに違った環境でそれぞれの悩みを抱えつつ夜間に通う生徒たち。
イノさんが体調不良で田舎に戻り、療養中(教室には不在)であるところから物語は始まる ....。(wikiより)

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