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実はほとんどの人が「プロジェクトマネージャー」である Ⅵ/Ⅻ

第六部:効果的な意思決定

これまでの記事では、快適な日常生活のために私たちが考慮する視点をもとに、プロジェクトマネジメントのスキルを考察してきました。前回のリスクマネジメントの章では、予期せぬリスクに効果的に対応するための準備とプロセスについて考慮しました。

今回の第六部では、これまでに比較検討したスキルをもう一段階発展させて、プロジェクトマネジメントにおける「効果的な意思決定」における視点を考慮します。日々の生活において、個人的な決断や、重要な選択が必要となる時に、どのようにして最適な決定を下すのか、そのプロセスと技術について考えます。

意思決定のプロセス

プロジェクトマネジメントにおいて、効果的な意思決定は、情報の収集とその情報を評価することから始めます。
これには以下のようなステップが含まれます:

1. 情報の収集

決定すべき事項に関連すると思われる情報を、網羅的な視野で収集します。事実の確認、異なる選択肢のリサーチに加え、中長期的な影響も考慮する視点を持つことが重要です。

例えば、車の購入を検討する場合、燃費や価格について、信頼性のあるデータを意識し収集します。特定の車種に関心が湧く場合は、車名をもとにしたレビューサイトの内容を検索したり、専門家による記事や、利用者の意見を参考にすることで、より多角的な視点から情報を得ることができます。予算管理の計画を伴いますが、メンテナンスにかかる費用に関する情報にも関心を払い、新車もしくは、中古車等、購入後の利便性を考慮できます。

2. オプションの評価

収集した情報をもとに、採用可能な選択肢の中で比較検討します。ここで大切なのは、各選択肢の利点と欠点を公正に評価することです。例えば、子どもを預ける保育園を選ぶ場合には、立地や評判、教育内容や、入園後にかかる費用を比較検討します。立地についていえば、子どもの送り迎えに必要となる対応や、それにかかる時間や労力を考慮することも重要となる場合が考えられます。

3. 優先順位の設定

選択肢の中から、最も重要と考える要素や目的の達成を視野に優先順位を決定します。これにより、どの選択肢が、日常生活の快適さに繋がるかを整理します。例えば、予算をもとにした計画に際しては、日々の必要経費に加えて、快適な明日を実現するために必要と思われる教育費や、欠かせないと考えられる遊興費といったカテゴリーも含めて検討し、優先順位を設定します。大切なのは、長期的な目標(例えば結婚や転居、子どもの大学教育資金の貯蓄)と照らし合わせて、短期的な欲求とのバランスを取ることです。

4. 決定

優先順位に基づいて、最も合理的な選択を採用します。この過程では、直感だけではなく、データや事実に基づいた合理的な判断をすることが重要です。

休暇を利用した旅行の計画を立てる際には、共に過ごす家族やパートナーと意見を交わし、それぞれの希望や期待を共有することで、最も望ましい目的地を選択できます。

5. 実行と評価

決定した選択肢を実行し、適宜その結果をもとに取り組みを評価します。実際の結果が期待に沿わなかった場合は、調整を行います。実行内容がダイエットプランである場合、例えば、週に一度体重と健康状態をチェックします。取り組みの結果をもとに、期待と異なる場合は、プランの調整を行います。

決定疲れを避けるためのテクニック

日常生活において、多くの決定を迫られる環境に身を置く場合、「(判断)決定疲れ」とも呼ばれる精神的な疲労感を感じる可能性があります。これを避けるためには、以下のような方法の採用が有効です。

日々の決定をシンプルにする

日常的な選択(対応)範囲をあらかじめ決めておくことで、小さな決定に費やすエネルギーを削減します。例えば、ライフサイクルをもとに、服装や朝食のメニューを事前に決めておくことで、日々の小さな考慮にかかる時間や決定の機会を省略できるかも知れません。

重要な決定を意識的に行う

例えば、一日の中に短時間でも精神的にリフレッシュする時間を採用し、その時間や前後で考慮、決定するカテゴリーを設定します。例えば、要点となるポイントは、決定を下す前にひとりの時間を持つ、短い散歩をするなど、心をリセットするための意識的な休息の時間や間合いを取り入れることが有効な場合もあると考えられます。

情報のフィルタリング

情報過多を避けるために、不必要な情報を見聞きする環境を回避し、必要な情報だけにアクセスできるよう意識します。情報収集や検討、活用の視点に際しては、一人もしくは、信用のおける関係者と過ごす会議室の利用等、精神的なリフレッシュも期待できる環境に身を置く時間も有効です。

まとめ

この度は、日々の生活において発生し得る実例をもとに、効果的な意思決定の重要性とその達成方法について考えました。効果的な意思決定を目的とした考慮は、日々のストレスを減らし、より良い生活の質を実現するために重要です。基本要素として、私たちは個々に生活圏を持ち、その集合体として現代の社会環境を形成し、営んでいます。
私たちが日々に必要とする検討や考慮のプロセスが、プロジェクトマネジメントに求められるスキルや視点との比較や検討により、生活の豊かさや効率的な判断、自信をもった決定に繋がれば良いなと、私は考えます。❀

Ⅵ /Ⅻ

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