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エキゾチックアニマルのセカンドオピニオンの重要性 ③デグーをきちんと診察できる獣医

③デグーをきちんと診察できる獣医


お一人ですべて対応されているU先生の電話は繋がりにくかったものの、何度か掛け直し(というか後から冷静になって見返すと、鬼電と言われかねないペースで掛けてしまっていた)、20時過ぎに無事に電話が繋がった。
前の患者さんの処置が終わったばかりだということだったけれど、すぐにこちらに向かってくださるとのことで、21時20分頃にU先生が我が家に到着。

U先生はこむの背中に触れるなり、
「かなり脱水症状を起こしてますね」
とおっしゃった(皮膚の弾力の有無で分かるらしい)。
さらに先生は、コードレスの端末とタブレット画面を使っててきぱきとエコー検査もしてくださり、
「ガスが鬱滞して胃が2倍に膨らんでますね。食欲がないのも水を飲まないのも、呼吸が荒いのもそのせいでしょう。ガスをとる注射を4本打って、水分補給のための点滴をします」
と迷いなく診察を進め、
そして注射4本と10ccの点滴1本を、こむの背中に続けざまに打っていく。


ところで、犬や猫であれば夜間救急の病院もそれなりにあるためか、U先生が夜間に呼ばれて診る動物の中で、デグーの割合は高いらしい(この日も、我が家の前に2人のデグーの飼い主さんのところに行っていたそう)。
そんなわけでU先生はA先生より格段にデグーに詳しかったし、信頼できると思った。

ちなみにこの注射&点滴の時、こむの体を押さえる係は夫。私は酸素を出す機械のノズルをこむの顔に向け続けるだけの簡単なお仕事。
こむが強制給餌のときみたいに暴れて苦しがるのでは……と不安も少し頭をよぎったものの、U先生がいる今ならなんとかなると信じ、実際、こむの呼吸はまた荒くなってはいたものの、それで何か大ごとになるということはなかった。


これですべての処置が終了し、U先生の診察結果をまとめると、

断定はできないものの推論として、今回の鬱滞の原因は、前庭疾患の症状を抑えるためにA先生から処方された内服薬に入っていたステロイドが、この子(こむ)にとっては強かったのではないか」

「1日分の水分を点滴したから、自分で水を飲み始めるのは明日からでしょう。毛づくろいも始めるはず(ここ2日間は体調不良で毛づくろいする元気もなかったので)」

「デグーが食事を半日摂らなかったら、その時点ですぐ病院に連れていったほうがいい。それだけで即死ぬわけではないけれど、ガタッと体調を崩す」


(今後なにかあっても、こむにステロイドの使用は避けるべきかという私の質問に対して)
「ステロイドは確かに強いけれど、使うべき時には使うべき薬。今回こうなったからといって、今後のステロイド使用に対してあまり否定的に考えないで」

「寒暖差があるときは、前庭疾患の症状が出やすくなる。できるだけ常に部屋の気温を一定にしてあげて」

という感じのことを教えていただいた。

気温に関しては、夏はクーラー、冬は暖房を、デグーたちのためにもちろん24時間つけている。ただ、このときは秋ということで少し気が緩んでいたのは事実で、早めにヒーターを用意しておくべきだった。


この時には、こむの体重は167gに落ちていて、1週間前からさらに20g近く減ってしまっている状態。
それでもU先生が帰ってから少しずつ、おやつ(「グルフリ生活 ダブル・ゼロおやつ チンチラ・デグー用」。こむの好物)は口にしてくれるようになり、目に生気が戻りつつあった。
チモシーはまだ食べなかったけれど、体重が一気に落ちた状態では食べるのにも体力を使うだろうから、ひとまずは好物だけでも食べてくれれば良しとすることに。

そして翌朝、予約していたP病院へ向かった。

(「④快方へ」に続きます)

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