『ほつれる、闇』

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小屋入り30日前ですが台本があがってません。

12年やってても変わらない遅筆です。面目無い。

台本はどうにか年内に仕上げられると信じて、本作の着想や公演ごとに設定している挑戦内容について書いておこうと思います。

着想

今年起きた16人死傷事故をニュースで観ていた時、ブレーキ痕が無いことに気付き、「そうか、それだけパニックになっていたんだろう」と理解した直後に不思議に思いました。

自分は、なぜそう考えたんだろうか。理解したような気になったんだろうか。

あの事故の場合は右折車両が完全に悪なので、直進車両(子どもたちを轢いてしまった方)は被害者だと言える。右折車両が突っ込んできて進路が変わり、人が居る、ということに気付いて事故まで、おそらく1〜2秒じゃ無いか。そこで固まってしまったのだろうと。

そう想像は出来る。でも、真実かどうかは分からない。あくまで想像し得るだけであり、人の心の中を分かる術がないのだから。

もし仮に、その大事故が、意図されていたのか分からない状態なら、弁護士は、検事は、被告人はどうするんだろう。というのが最初に出会った作品の「タネ」でした。

未必の故意があったと言える事故はこれまでもかなり起きており、もはや殺人事件だと思えるのもいくつかある。それらは全て、危険運転致死傷罪として懲役20年前後で実刑判決を受けているが、自分が遺族だったら納得が行かないと思ったのだ。自分に家族が出来て、事故の犠牲者が幼児だった。というのが強く影響してるんだろう。事故だと言い張る人間の嘘がほつれる瞬間の表情、声、態度を描きたいと思ったのも、今作を書く強い動機かもしれない。観たいシーンが先行するパターンは久しぶりなので少し楽しみだ。

テーマ

分かりやすくメインとなるのは「正義とは何か」ですが、いつも通りいくつも重ねて描いています。観劇されたお客さんにそれぞれ気になったものをお持ち帰りいただければと考えてますので、あくまで分かりやすいメインのお話。

一つ強いテーマを持つことが作品の強度を上げるんじゃないかと思ったりもするけど、日常生活と同じようなバランスで描きたいので、いろいろゴチャゴチャ描いていたいです。今のところ。

公演の挑戦内容

・Yes,and...ではなくNoから始まってしまうコミュニケーションでどのように繋ぎ続けるか(もしくは断絶をどう見せるか)

・必要以上に咀嚼しない

・笑いに軸足を置かない

…分かりにくいですね。解説を書くほどのことでもないのですが、やったことのないことを公演ごとに挑戦することにしてます。今作は完全にパッケージされたものじゃなくて、組み立てはお客さん自身がやるプラモデルみたいなイメージです。

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頭の中のことを書き出すと、自然と台本が書きたくなるから不思議です。今までで一番面白い作品だと言われるようにしますので、皆さま是非お越しください。

公演特設HPはこちら!


以上です〜


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