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マティス展

マティス展
開催場所:東京都美術館
開催期間:2023/4/27〜2023/8/20

レビュー
 松任谷由実のラジオ番組で特集されていたのと、上白石萌歌が音声ガイドをやっていると聴いたので、久々ということも手伝って、東京美術館にマティス展を見に行ってきた。
 ポストモダンアートに影響を与えた画家という認識だけはあったが、正直、詳しくはなかった。美術館を見ていくうちに、初めは写実画家であり、徐々に印象派になっていく。最初の方が写実画だったために上手に見えるが、印象派になっていくとともに、漫画のネーム絵みたいになっていく。ヴィーナスの海の絵は、見ていてこっちが不安な気持ちになっていく。ただ、写実から本質的な生かすべき線だけを残していくのは漫画の走りでもある。そしてアンディウォーホルなどの広告系モダンアートにも当然通じるものがある。
 写実で書いてから塗りつぶして、線だけにしていくのは、なんでそんなことをって思ってしまうのは、私がバイアスまみれな人間だからだろう。固定観念を外してみるべきなのだ。そしてマティスの絵には遠近法がない、すべてベターって平面的だ。彫刻も上手いので、できないってわけではないだろう。そうすることでマティスならではの表現ができあがっていく。
 私自身、印象派のモダンアートは好きかどうかでいえば、メッセージ性が絵だけではなく色や角度や技法によって表現されているので、好きではない部類ではある。私はターナーやドラクロワ、ゴヤのように写実の中にメッセージを潜ませるような絵の方が好きだ。日本人はゴッホやモネ、マネ、ルノワールのような印象派が好きな人が多い気がする。
 美術展には代表作と言われているものはほとんどあった。「豪奢、静寂、逸楽」と「金魚鉢のある室内」が好きだ。「豪奢、静寂、逸楽」は色彩が素晴らしい。この一枚だけは絵が纏うオーラが違った。「金魚鉢のある室内」は本当に好きな絵だ。レコードのジャケットのイラストに使ってほしいと思ってしまう。あらゆるものが異なる角度で押し込まれていることで、見ていると不思議な気持ちになる。ウディアレン監督の「ミッドナイトインパリ」を見ているような気持ちだ。
 BGMにはサティの音楽が流れていたが、私的にはワイズブラッドの方が絶対似合うって思ってた。

#美術展
#アンリマティス

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