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VFXの理解を深めるのに役立つ一冊


映像制作のためのVFX教科書

VFXの制作フローは、どのように構築されているのでしょうか。
計画から予算まで全体像を理解したい方に最適な参考書が、Eran Dinurさんの著書「映像制作のためのVFX教科書」です。

多くの書籍がアプリケーションの使い方に焦点を当てている中、この本はその部分については書かれていません。

というのも、特定のアプリケーションに依存すると、そのアプリケーションを使用しないと再現が難しくなるからです。
また、アプリケーションのバージョンアップによりもっと効率的な手法が登場するため、情報が古くなってしまいがちです。

この本の特徴は、そうした変化に影響されにくい「考え方」に焦点を当てている点だといえます。

本の内容

PART 1 VFXの基礎

  • Chapter 1 コアコンセプト

  • Chapter 2 映画製作ツールとしてのVFX

  • Chapter 3 2Dから3Dへ

  • Chapter 4 分離

PART 2 VFXの技術

  • Chapter 5 VFXのワークフロー

  • Chapter 6 ワークフローのケーススタディ

PART 3 プロダクションにおけるVFX

  • Chapter 7 プリプロダクション

  • Chapter 8 オンセット

  • Chapter 9 ポストプロダクション

  • Chapter 10 未来

私が教えている専門学校の「実写合成」の授業でも、この本は教材として採用されています。
ただ、アプリケーションの使い方については記述されていないため、再現方法については補足説明をしています。

したがって、この本は中級者向けであるといえます。
ちなみに、After EffectsやPremiere Pro、Blenderなどの機能をある程度理解していれば、再現は可能です。

ソフトウェアの操作は大体理解できるが、考え方を補強したい。
この段階に来ている方に、ぜひ手に取って欲しい一冊となっています。

本書では、著者のEran Dinurさんが関わった映画「The Wolf of Wall Street」のエピソードが紹介されています。
Vimeoでこの映画のVFXメイキング映像が公開されていますので、映像を視聴しながら本書を読むとより深く理解できます。

ぜひ、両方をチェックしていただければと思います。

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