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「わび・さび」という日本の美意識

本来、「侘び」「寂び」は異なる意味を持ちます。
「侘び」とは、酷く物静かで淋しい、慰められない、満たされない、思うようにならない事でしたが、中世以降、肯定的に捉えられるようになり、簡素で閑寂な趣を楽しむ境地を意味するようになりました。千利休の、「わび茶」は、本当にしみじみと人の心を打つモノは、華美なモノではないという精神を表しています。

「寂び」は、時を経るとともに劣化した様子から、生命力の衰えてゆく様、古びて味わいのあること、枯れた渋い趣、を表すようになりました。
松尾芭蕉による俳諧の世界では、物静かで落ち着いた奥ゆかしい風情が、洗練されて滲み出るという感覚が重要な理念とされました。

このように、閑寂・簡素・枯淡という「わび・さび」の境地が生み出されました。

茶道では、この「わび・さび」の精神を大切にし、茶室という静かな空間で茶を点てることに心を置くことで心を落ち着かせます。そして自身を見つめ直し、心を高めます。

そして、茶道では「一期一会」という言葉もあります。これは「この出会いは一生涯に一度のもの、お客も亭主も互いに心を尽くし、このヒトトキを大切にしましょう」という意味の言葉です。茶道ではこれら精神を基にお茶を点てる事を大切にしています。
#わびさび #日本の美意識 #茶の湯

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