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【復習】穢れ・忌み地・呪い

おはようございます。『オカルトエンタメ大学』運営の小柳です。

映画『事故物件 恐い間取り』が公開10日で興行収入10億円というニュースが出ていました。Jホラーとしてはかなりハイペースの大ヒットなのではないでしょうか?

今年2月に公開された『犬鳴村』もJホラーとしてはかなり久しぶりのヒットで、最終的に興収14億。今回の『事故物件 恐い間取り』はペース的にこれを超えそうですね。

もちろん

・『犬鳴村』やその他ホラー映画(ここ最近は海外ホラーがブーム)のヒットがあり土台が出来ている。

・公開規模(詳しく比較してませんが、そもそも公開の館数などによって映画の成績は大きく左右されます)

などなど様々な条件の違いがありますが。

とにかく大ヒットおめでとうございます。私は公開当日に鑑賞しに行きました。Jホラー的な恐怖描写、適度な暴力描写、恐さと紙一重の笑い、後半の胸熱な除霊バトルにラストのゾッとするオチ。エンタメホラーとして大変満足度の高い作品だったと思います。

我が校でもお馴染みの田中俊行先生も出演されていますので未見の方はお早めに。


さて今週は、そんな話題の「事故物件」をテーマにした授業を早瀬康広先生がして下さいました。

本日は、事故物件や心霊スポットなど。土地や場所に居憑く霊の話をして下さった3日目の授業の復習をしたいと思います。

それでは始めます。

幽霊には大きく2種類いる

・浮幽霊と地縛霊の2つ。
 →浮幽霊。場所にとらわれず彷徨う霊の事。
 →地縛霊。特定の場所に留まる霊の事。

・事故物件の幽霊は、地縛霊と言える。

・何らかの理由で自分の死が自覚出来ないまま死ぬ、また怨みや憎悪をもって死ぬなど、自分の死を受け入れらないまま死んだ場合、その場所に固定化し地縛霊となる。


『呪怨』と地縛霊

・大ヒットホラー映画『呪怨』。佐伯伽椰子と俊雄の親子が自宅で夫に殺害され地縛霊となる話。その家に立ち寄ったり住んだりした者に呪いがかかる。

・しかし、この作品の地縛霊である伽倻子達は特定の場所である家のみに固定されているわけではない。『呪怨』シリーズの冒頭で表記される文章をここで振り返る。

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【呪怨】強い怨念を抱いたまま死んだモノの呪い。それは死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され「業」となる。その呪いに触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる。
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・注目すべきは「新たな呪いが生まれる」という部分。『呪怨』は家に関わった人はもちろん、その人に関わっただけでも呪われる。つまり伝染型の呪い。現に作品の中で、家以外の場所でも伽椰子や俊雄が現れる。

・地縛霊は呪いの伝染と言う手段で、外に出る事が出来るのでは?

忌み地

・日本全国には忌み地と呼ばれる場所が多数ある。忌み地とは、なにがしかの伝承や事件・事故などで呪いや祟りがあるとされる場所。

・心霊スポットも忌み地の一つ。心霊スポットにいる幽霊は、その場所に固定された地縛霊。だが、心霊スポットに行くと家まで霊が付いてくるという話もある。場所に固定されているはずではないのか?

・近い言葉で忌地(いやち)という言葉がある。ナスやウリ科の作物に見られる現象で、連鎖的に生育不能となる事。同じ土に同じ植物を植え続けると病気や虫が多発したり、土の栄養が減少する事で起こるとされている。

・同じ土で、連鎖的に作物が腐っていく。ウイルスのように。これは忌み地にも言える。忌み地に行けばそこで呪われて、その呪いが伝染していく。

『残穢』と穢れ

・小野不由美さんのホラー小説「残穢」。映画化もされた。


・残穢とは、穢れの残りカス。穢れとは、仏教や神道の観念で汚れた悪しき状態の事。目に見える汚れとは違い、目には見えないけど感覚的に汚れていて嫌だなと思うものの事。

・例えば骨董品屋で、とある箸が売っていたとする。その箸はキレイに洗われていて汚れも菌も付いていない。しかし、この箸の元の所有者が非業の死を遂げていた、と分かるとその箸はなんとなく選びたくない感覚に襲われる。この感覚が穢れに近い。

・触穢 (そくえ)という言葉もある。触穢とは、神道上の不浄とされる穢に接触して汚染すること。神道においては人間・動物の死と出産、女性の生理は「三不浄」とされていた。直接接触する事は勿論、同じ空間内に一緒にいただけでもその穢れが伝染すると言われている。

・『残穢』ではマンションが建てられる以前、その土地で一家殴殺放火事件が起きていたり、精神病患者が座敷牢に監禁されていたり、子供が次々と亡くなった一家もあり、穢が伝染・拡大していた。

・そのためマンションから引っ越しても穢れは付いてるし、マンションに住む人間と関わるだけでも穢れは伝染。結果的に呪われて死に至る。


心霊スポットや事故物件へ行く際の心構え

・地縛霊は場所に固定されているが、その場所に来たものに取り憑き呪いや穢れはウイルスのように伝染し広がっていく。安易な気持ちで事故物件や心霊スポットに行くべきではない。

・もし行ってしまったら必ずお祓いなどを受ける事。ウイルスと同じで、他人に伝染しパンデミックになる可能性も。ウイルスも穢れも呪いも、事前の予防と人に感染させないという意識を常に持つ事。



周囲に与えるオーラ(気)

・穢れや怨みなどは目には見えない感覚的なもの。これは人間が生み出した気やオーラなどに近い。

・実生活でも機嫌の悪い人、ネガティブな人、元気のない人がいる。その人達のそばにいるとなんとなく嫌な気持ちにならないか?職場の雰囲気が暗い、などはその典型。つまり、人の気は穢れや呪いと同じで周囲に伝染する。

・職場や学校、家庭などでとくに気を付けて欲しいのは気は大きいところから伝染しやすいという事。組織のリーダーや影響力のある人が機嫌が悪いと周りの空気が張り付く。そして誰かに強く当たれば、受けた人はストレスや痛みを感じ、また別の部下などに同じく当たるようになる。そうやってストレスや怒りという名の穢れに組織が汚染されていく。もちろんリーダーではない人も同じ。

・それほど負のオーラは強い。同じオーラなら明るく生き生きとしたオーラを伝染させるように。それがエンターテインメントにおいて大切な事。


授業を通して思った事

最後のまとめはとても刺さりました。

私も大学の運営代表として日々やっていく中で、大変な時、上手くいかない時など。怒りや焦りなどの負のオーラを出してスタッフに感染させている事が多々ある事に気付かされます。

そうして知らぬうちに我が校の職員室は穢れに汚染されていくのでしょう・・・。

アンガーマネージメントですね。しっかりコントロールし、負の感情という悪霊に憑依されないよう頑張りたいと思います。

オカルトを通して実生活にリンクする道徳や教養を学べるのが、この大学の本当に良い部分です。早瀬先生、ありがとうございました。

以上。

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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