見出し画像

ハイブリッドなオンライン配信で成功した話

2020年、あらゆるリアルなイベントが中止になり、オンラインへ移行しました。私が参加する業界団体は、例年12月に東京でリアルなイベントを開催していました。会場は1年前から予約し、コンテンツや運営の準備には半年をかける一大イベントです。

そのイベントもオンライン開催を余儀なくされました。オンライン開催は初めての経験です。

配信プラットフォームはどうする? 司会進行やQ&Aは?? などなど、わからないこと、決めないといけないことが数多く出てきました。その中でも一番の問題は「ライブ配信にするか、それとも事前収録にするか?」を決めることでした。

講演テーマは8つ。講演者のうち2人は海外からの参加です。日本で参加する6人も1か所に集まることはできません。それぞれの自宅や所属する会社のオフィスから参加してもらうことになります。ネットワーク環境は大丈夫だろうか? スムーズに講演者を切り替えていくにはどうすれば・・など議論した末、事前収録による配信に決めました。講演者は各自Powerpointのレコーディング機能を使って講演を事前に収録し、イベント当日はそれを配信することにしたのです。

この方法であれば、講演者はパソコンだけで収録できますし、各自のネットワーク環境に依存することなく配信ができます。収録した動画を配信プラットフォームに登録しておくだけで良いので、当日の画面切り替えの手間もかかりません。

できるだけ当日発生しそうな問題を避けたいという消極的な選択だったのですが、事前には気づかないメリットがありました。それは「Q&Aが活発になる」というメリットです。

講演者の方々には、その方の事前収録が配信がされている間、オンラインでスタンバイしておいてもらいました。なので、参加者からのチャットによるQ&Aにリアルタイムで答えることができます。その場で講演者から的確な回答が出ると、さらに追加で質問が出るという良いサイクルが生まれました。質問は時間内に答えきれないくらい出ました。それらの質問はチャットでテキストで送られてくるので、イベント終了後にリストにして、すべての質問に回答を用意し、後日参加登録いただいた方に送付しました。A4サイズで8ページのQ&A集になりました。こんなことができるのもオンラインならではの利点です。

なお、イベントの登録者は690名でした。前年のリアルイベントでは190名でしたので3倍以上です。アンケートを見返していると「地方なので今までは東京に行くのが難しかったが、オンラインなので参加できた」という声が複数ありました。また来年のイベントの形態はオンラインを希望される方が圧倒的でした。事前収録をしていたので、イベントを開催した翌週には講演ビデオをそのままYouTubeで公開し、イベントに参加できなかった方々にも見ていただけるようにしました。イベント開催にかかった費用は、リアルイベント会場のキャンセル費を含めても今回のオンライン開催の方が安く済みました。

欠点は、イベントが終わったあとに懇親会ができなかったことくらいでしょうか。これも工夫すればなんとかなるかもしれませんね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?