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カンボジア人Teacherたちとわたしの日本での12日間 「日本人の習慣」

少し前の話ですが。8月の終わりから9月の初めにかけての12日間、カンボジアの教員養成大学の教官たち10人+わたしの同僚2人という総勢12人のカンボジア人のみなさんと一緒に、「学校保健教官日本研修」なる名目でカンボジアから日本に行ってきました。そのときに面白いことがいろいろあったので、備忘録的に記録しておこうかと思っています。思い出したら書こう方式でランダムにて失礼します。

日本独特の慣習

初日。全員いい大人ですが、迷子にならないようにお揃いのTシャツ(人数確認が視覚的に楽)を着て早朝の羽田空港に到着。寝ていないしシャワーしていない軍団、そのまま東京学芸大学に移動して、まずはオリエンテーションからスタートしました。そこで、この先10日あまり日本に過ごすにあたって、”日本独特の慣習”についてのプレゼンテーションを行いました。内容的には、
・食事のとき、お茶碗は手で持っていいよ
・蕎麦はずるずる音を出していいんだよ、麺類もすすってOKだよ
・電車やバスに乗るときは並ぼうね
・電車やバスなどの公共の交通機関では電話をかけるのはだめよ、あとでかい声でしゃべってはだめよ
・ウォッシュレットトイレってこうやって使うんだよ
・トイレットペーパーは水に流していいんだよ、というか流してください
・日本人は入浴が大好き、Let's try 裸の付き合い
という感じです。

実践型マナーの模範生

説明を一番切望されたのが、ウォッシュレットトイレの使い方でしたが、これは羽田空港に着いた瞬間からのみなさんの疑問だったようです。もちろん、懇切丁寧にご説明差し上げました。
インパクトがあったのが、電車やバスでのマナー。カンボジアには公共の交通機関がほぼない(プノンペンに市バスはあるけどあまり乗らない)のでみなさん興味津々で、実際にもいろいろ実践されている姿に、わたしは感心をしてしまいました。さすが優秀な方々で、飲み込みが早い。
電車のホームでもバス停でも、きっちり並んで待つし、エスカレーターは片側に寄るし、電車の中でもおしゃべりをしない、まるでマナーの模範生のよう。

電車の中での珍騒動

痴漢予防対策
日本留学経験があるカンボジア人の同僚が、男性の先生たちに「日本は混んでいる電車の中で手を下にしていると痴漢と間違われるから両手は上にしたほうがいいよ」なんて嘯いたものだから。男性陣が中央線に乗り込むと、みんなで両手を上にあげる練習をしていました。真面目か! と笑ってしまいましたが、”痴漢は犯罪です”意識が高い方々なのでしょう。カンボジア男性たちの電車内でのバンザイ、なかなかの光景です。
席譲りブーム到来
広島に行った際に路面電車に乗りました。車両が短いのでわりと混んでいて、乗ってこられたお年寄りにわたしが席を譲りました。するとそれを見ていたカンボジアの先生たちに”誰かが乗ってくるたびに席を譲る”ブームがやって来たのです。お年寄りのみならず、学生さんだろうがお買い物中のお母さんだろうが、カンボジア人が席を立ち日本人に譲る、という展開。これまた笑ってしまいましたが、言葉が通じなくてもニコニコ席を譲っている姿はとても微笑ましかったです。
リュックと腹
つらかったのは、東京行きの中央線、朝のラッシュ。混雑はあらかじめ予想されていたので「リュックは前に背負いましょう」と説明をしていました。当日、ひとりの先生(40代男性・ビール好き)が真面目な顔で質問をしてきたのです。
「お腹が出っ張っていてリュックを前に背負えないんだが、床においてもいいか?」
全員大爆笑でした。
シルバーシート
日本人にとってはシルバーシートがどこなのかすぐにわかりますが、外国人にはなかなか見分けが難しいところ。西武線に乗っていた際、シルバーシートに座っていた4人が「あ、ここは優先席だ」と自ら気づいたようで、一般の席に移ってきました。「よしよし、自分で学んだわね」とわたしがほくそ笑みながら見ていたところで、ひとりの先生(40代男性・こちらもビール好き)に向かって3人の先生(30代と40代女性・おしゃべり大好き)が言うのです。
「あなたは座っていても大丈夫よ。見て! お腹が大きい人の絵が描いてあるんだから」
わたしの笑いのツボをぐりぐりしました。

そんな調子で陽気なカンボジア人のみなさんとは、研修中よく笑いました。今回の目的は、学校保健の視察と研修ですが、日本ってどんな国なのかという部分もみなさん貪欲に学んで帰ってくださったようで、研修を企画した側としてはとてもうれしい限りです。



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