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超短編小説もどき

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2021年3月の記事一覧

愛してない

手を触ると、思いがあふれてしまうから、いつの日にかその手を振り払った。 私は一人なの、ひとりでいいんだよ、だれとも、だれとも。 走って走って逃げまどって、転んだ時に差し伸べられた手が前のものとは違うことに気づきながら、そっとその手を取った。 自分とその人が一緒になるような感覚のない人なら、一緒にいれる。 私は私のままで、彼を好きになれるから。 彼は優しい、一緒にいると弱さもすべて見せてもいいような気がする。 君とは違う。君はまるで私だから。一緒になりたくない。 君