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Chat GPTを5分使って、高級ワインについて検証し、日本ワイン産業について考えてみた

はじめに/なぜ検証を進めたのか


今回、流行のChat GPTを使って、最速?の仮説検証を実施してみることにしてみました。

※最初にお断りをしておくと、今回は非常に短時間で検証しているので、Chat GPTが出した結果についての正確性は担保されていません

今回、Chat GPTを使って、高級ワインに関連する仮説を検証しようと思った背景としては、日本ワインって今後どうなるのかなーというボンヤリとした思いからです。

ブログや雑誌等では、「日本ワインがXX賞を受賞した!」「世界で注目されている!」みたいなコメントが散見されますが、海外のワインショップに行って、日本ワインを見ることはほぼありませんし、話に出てくることはほとんどありません。海外の観光客が、長野や山梨に行って、ワイナリー巡るぞ!みたいなものも、ほとんどないでしょう。

むろん、生産量が限定的であるがゆえに、輸出量も非常に少ないのはその理由ではあるのですが、例えば、ブルゴーニュの高級ワインは、同様に生産量が少ないながらも、世界各国に流通しています。


ワインの輸出は「その他」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/pdf/himmoku6.pdf

同様に、日本酒は海外でも頑張っています。
直近も、獺祭はニューヨークでの工場設立を発表しました。

日本ワイン業界全体が発展するためにも、小さく、個性的なワイナリーがたくさんできるのも、一消費者としては楽しいのですが、産業全体を考えた時に、高級ワイン!これぞ日本ワインの代名詞のようなものが存在すれば、ますます進歩する可能性があると思います。

そこで、一旦世界で着目されている高級ワインがどのような特徴を持つのか、最大公約数的、かつ最速で検証し、私なりに日本ワイン界へのテーゼを打ち出せればと思います。

検証した仮説

今回検証した仮説は以下となります。

  1. 高級ワインは、結局赤ワインなのではないか

  2. 高級ワインは、結局フランスで既にブランドが確立しているCabernet/Merlot (Bordeaux系)とPinot Noir (Bourgogne)で作られているのではないか

それでは、早速それぞれの仮説についてみていきたいと思います。

1. 高級ワインは、結局赤ワイン

各国ごとに以下のような質問をして、Chartを作成してもらいました。

Could you give the list of luxurious wine brands at XX including winery name, establishment year, price range, and types of grapes?

Napa Valley Versionはこちら

聞いた地域/国としては、Napa Valley, France, Italy, Spain, Australia, New Zealandとなります。ここらへんが、ワインショップでよく見かけるワインの国だからです。

結果としては、56/63が「赤ワイン」と赤ワイン圧倒的優勢となりました。

  • Napa Valley: 赤10、白1

  • France: 赤10、白2

  • Italy: 赤10、白0

  • Spain: 赤9、白1

  • Australia: 赤8、白2

  • New Zealand: 赤9、白1

旧世界は、ともかくSauvignon Blancで有名なNew Zealandも少ないのは意外な結果になりました。あくまで、Chat GPTの整理によるものなので、当然リストに掲載されていないものが漏れている可能性もありますが、今までの学習データとしては、赤ワインのBrandとLuxuryという言葉が紐づけられているデータが多いということでしょう、

ちなみに、赤ワインがなぜラグジュアリーと評価されるのかについても、一応聞いてみました。

赤ワインがよりLuxuryと思われるのか

これを見て、改めてもう一つの仮説が出現しました。
"Somes of the most famous and valuable wines in the world, such as Bordeaux and Burgundy,,,"
なるほどと。赤ワインの中でも、結局フランスワインを真似しているのが最強なのではという仮説です。
ということで、改めて品種についてより詳細に覗くことにしました

2. 高級ワインは、結局フランスで既にブランドが確立しているCabernet/MerlotかPinot Noirで作られているのではないか

先ほど確認したブドウの品種をもとに、おおよその推測で、Bordeaux系統かBourgogne系統のものをカウントしてみました。
結果は以下となります。

  • Bordeaux系統 :21

  • Bourgogne系統:9

  • その他:26

どうでしょう。系統の中には、そもそもBordeauxやBourgogneが含まれているので、必ずしもフランスでブランドを確立している品種に絞る必要はなさそうです。
「その他」のカテゴリで、生産されているワインは、AustraliaではShiraz、ItalyではNebbioloやSangoivese、SpainではTempranilloと地域を代表する黒ブドウで作られていることがわかりました。

以上から、本当に簡素ながら高級ワインに関するまとめをしていきたいと思います。

仮説検証を踏まえた高級ワインの整理

結果、世間が認識している高級ワインの多くは、赤ワインとなり、それは以下のように分類できるのではと思います。

  1. Bordeaux系

  2. Bourgogne系

  3. 地産ブドウ古くから作る系

1のBordeaux系については、当然ボルドー右岸も左岸にもあるような超有名ワインブランドたち+Napa Valleyのワインで構成される群です。特に、Napa Valleyのワインは、1976年のパリの審判以降、ボルドーの最高級ワインを明確にベンチマークし、彼らを超える素晴らしいワインを作るというミッションをもって、設立したワイナリーが多いのが特徴です。
醸造やブドウ栽培についても、当然カリフォルニアの気候条件が恵まれていたということはありながらも、フランスの有名シャトーから人を引っこ抜いてきたりと、上手にブランドを確立してきた印象があります。
例えば、Opus Oneは、Robert Mondaviとフランスで超有名なPhilippe de Rothschildが合弁事業として作ったのが始まりです。

かっこいいOpus One



当然、ワインの品質はありながら、消費者としても、Opus Oneを選ぶ理由があらかじめワイナリー設立のストーリーに組み込まれているのは、大きな特徴なのではないかと個人的に考えます。

2のBourgogne系については、フランス以外でいくと、New Zealandの該当が多くなりました。New Zealandは、前述したようにSauvignon Blancが1980年代より世界で評価されてきました。それはつまり、「New Zealandでは、うまいワインが作られる」というイメージを事前に構築できていたということです。その評判をひっさげて、Pinot Noirブランドを作っていけたともいえるかもしれません。

最後に、3のその他のカテゴリーでは、それぞれの地域で代名詞となる黒ブドウを作っているのが特徴です。特に高い評価を受けているワイナリーというのは、50年以上歴史があることも多いです。(例:GajaやGrangeを作っているPenfolds等)


Vintageによっては、10万をゆうに超えるShirazの傑作


地域全体として、この国はこのブドウだよねという圧倒的生産量を誇り、輸出量も非常に多いのが特徴に思われます。

日本ワイン産業は、どうしていくべきか

最後に、私見で、今後日本のワイン産業はどうあるべきかということについて簡単に記載したいと思います。

あえて、高級ワインを作ることが、日本ワイン産業を発展させるという前提に立つとすれば、産業全体として目指すべくは、フラグシップとなるような「赤ワイン」のブランドを複数作っていくことでしょう。

現状、市場から高級ブランドと評価されるには、3パターンありましたが、日本としては、3つ目のその他パターンは相当に厳しいと想定されます。
白ブドウで言えば、甲州はありますが、そもそも、日本の黒ブドウといえば、これ!といったようブドウはありません。

となると、残るはボルドー系かブルゴーニュ系になります。

前者で有望なのが、長野県を中心とするメルローを使ったワイン、後者では直近余市のピノが注目に値するでしょうか。

ただ、アメリカのボルドー系にしろ、New ZealandのPinot Noirにしろ、消費者がその国のワイン、ないしは、そのワイナリーに対する高級・ブランドイメージがある程度構築されていることが前提となるように思います。

そして、日本のワインはあくまでクオリティで勝負しにいっているだけで、このブランディング・イメージづくりが不足しているように思われます。

例えば、ポムロールの有名シャトーと組んでSuper Merlotワイナリーを長野に作るとか、ブルゴーニュの有名ドメーヌと組んで、Super Pinot Noirを余市に作るとか、そういったことはブランディングという意味では、非常に有用な施策になるかもしれません。


Stable Diffusionで作った「余市 Super Pinot Noir」

改めて、今後日本のワイン産業が更なる進化を遂げることを祈念して、雑文を締めくくりたいと思います。
では。

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