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『警部補の男と赤子喰らいの女』

こんにちは。めったにnoteに記事を書かないおかぴと申します。

さて先月から今月のはじめにかけて、私ことおかぴ1129は、随分と久々に小説の話を連載しておりました。それがこちら。

タイトルは『警部補の男と赤子喰らいの女』。人間で刑事をしている主人公の男性『栄田宗介』と、元人間の化け物『赤子喰らい』の少女である『沙雪』の二人が、化け物がらみの事件を解決しつつ、人の心の奥底を覗き込んでいく……という趣旨の話でした。

今回は、この物語の話をしていこうかなと思っています。創作者なら誰もがやりたい自作語りというやつですわ。たまには許して 笑

ちなみに自作の話を好き勝手やるので、ネタバレ上等で行きます。未読の人など知ったことかの精神テンションです。


そもそもどんな話よ?

ストーリーはオムニバス形式で計4つの事件を解決するというものです。その事件を解決していく過程で、主人公の栄田とヒロインの沙雪は関係者たちのどんな気持ちや感情に触れるのか。そして栄田と沙雪の関係性がどう変化していくか……というのを書きたかったのですが……

二人はただ仲が良いわけではありません。互いに相手のことを信用はしつつ、しかし警戒をしています。沙雪は強大な力を操る極めて屈強な化け物ですが、栄田は化け物に対して特効を持つ拳銃を所持しており、沙雪に対するカウンターとしての側面も持っています。

警戒しつつ信用しつつだった二人の仲が、ただ良くなっていくだけでなく、どんな形に帰結していくのか……それを書きたかったのですが……

書いたキッカケ

元々の話のネタ元は夢です。
なんか、とある村で赤ちゃんが行方不明になる事件があり、その解決のために主人公の刑事が村にやってくる。その村で主人公は『赤子喰らい』なる女の子の妖怪と出会い……的な内容でした。

元々こういうホラー的な話はあまり思いつくタイプではなかったのですが、当時活発に活動していたおかまきプレゼンツの活動のおかげで今までに無いタイプの話を思いついた&書こうという踏ん切りがついたのだと思っています。

思いついた後、ちょっとネタとしてはそのままボツはもったいない気がしたので、そのままパイロット版として『母と子』という短編を一つ書き上げました。

こちらの話は若干気持ち悪い描写があるので、読みたい場合はログインしてお読みください。

これが意外と読んでくれた方の評価が悪くなくて、んじゃ長編にしてみっかと書き始めたのですが……よもやここまで付き合いが長くなるとは……笑

ハナちゃんの話は癒やし

お石さまのハナちゃんの話は、よくある異種族間の恋愛話でしてね。元々はエグエグの話の間に持ってきて一服の清涼剤的な話にするつもりだったんですよ。だって他の話しんどいし笑

発想の発端は、あれです。インコだったかな? 鳥類の中には人間に恋心を抱く個体もいるという話を聞いて、『だったら有機物(人間)に恋する無機物(石)があってもいいはずだ』という思いつきをしたのです。我ながら意味がよくわかりません。有機物に恋する無機物てなんやねん。

『果報啜り』の設定に関しては、元々わたくしことおかぴ1129は『全人類が持つ幸福の総量は一定であり、それが各人にランダムに振り分けられている』論を持論の一つとしています。その持論を今回は形にしてみた次第です。

最後の最後、光一さんがハナちゃんの正体に気付いていたかどうかはしっかりと決めてはいませんが、気付いてる方が話としては美しいですよねぇ。

最後の栄田と沙雪のキスシーンは最初から持ってくるつもりでした。これで少し距離が近づいたように感じたけれど、次の話で……て効果を狙ったのですが、あまり効果は無かった笑 コメディ的なノリがここで出てくるので、そういう意味でもある程度エピソードを重ねたあとでこの話を持って来ればよかったなぁ……と反省しています。

キスしたあとの沙雪の『うげぇ……』て顔は我ながら見てみたいですわ。

菅野神父の発想の元は映画『キョンシー』

元々のプロットは、新興宗派を興した菅野神父が人々の信仰を集めた結果、本当に神になってしまった……的な話でした。
そこから『菅野神父が神を名乗る意味不明な存在に蝕まれる』→『娘を失った菅野神父が神を名乗る化け物に娘の蘇生を願い、化け物として蘇ってしまう』→『娘を失った菅野神父が、自分で娘を化け物として蘇らせる』とかなり路線変更しまして。変更の理由は様々です。なんかプロットが思いつかんとか、大げさすぎて書ける気がしないとか、神になった菅野神父に沙雪と栄田が勝てる気がしないとか……
それで『どうしよう……』とうんうん唸っていたときに、映画『キョンシー』のことを思い出しました。

この映画がまた悍ましいんだ(;・∀・) 詳しい内容は割愛しますが、『そらぁ、そんなことしたらその死体キョンシーになるよ💦』て感じのことが映画の中で繰り広げられていてですね……

この話の気持ち悪さを菅野神父に持ってこようと思いまして。んで、今のプロットになりました。

一応、テーマとしては作者が昔から思っていた『『命さえ助かればいい』というのは、本当に命さえ助かっていれば、あとはどうでもいいのか?』という疑問です。この辺は人それぞれなので詳しい言及は避けますが、たとえば作中の静のような状況であっても、命が助かっていればそれでいいのか? という疑問が昔からあって、それを形にしてみた次第です。その割には菅野神父の心が折れるのが早すぎな気もしますが、我が子の慟哭を聞けば仕方ないのかなぁ……とも思いますが、いかに。

『鬼甦法(きこうほう)』てのは、かつて一斉を風靡したオカルトバトル漫画『孔雀王』から拝借しました。『西洋の宗教の司祭だからゾンビ……てのもなんか芸が無いなぁ……』と悩んでいた時、フと思い出しました。『朝鮮に古くから伝わる死人返りの邪法』てのが妙に生々しく感じ、しかも神父が東アジアの呪いを使うという悍ましさが大変よろしい。

菅野神父のあの救いの無いエンディングは最初から決めていました。別に『人を殺した罪深さを表現するため』とか、そんな高尚な理由は無いです。単純に『化け物にとって無情の美味なんだから、話のあとも付け狙われるわなぁ』と思ったからです。話としては静を葬ったところで終わるのが綺麗だとは思ったのですが、『物語が終わった後も、登場人物の人生は続く』というのを表現してみたくてやってみました。

菅野神父って、悪人ではないんですけどね……なんか、ね。

相手のことを考えない愛情の押し付け『耳舐め』

発想の元は、『うまく行かなかったハナちゃん』です。でも肝心のプロットがまったく思い浮かばなくて……笑 んで思い出したのが、昔に見た邦画『アナザヘヴン』でございます。

この映画、サイコサスペンスの皮を被ったSFホラーなんですが、この『ナニカ』て存在の発想が面白いなーってずっと思ってて。んでそこから『耳舐め』という化け物を組み立てました。『ナニカ』は遠い未来から来た純粋な悪意の塊で、悪いことをしたくて現代日本に来た存在です。でも耳舐めは生きるために遠い未来から嫌々やってきた存在。

高鶴千代子さんの元ネタは特になし。なんというか、新天地に来て右も左もわからない状況で、美人さんに親切にされたらそら惚れるよね……というひどく個人的な思い込みで作り上げたキャラです。あとは意識して人たらしというか男たらしというか、そういう描写を入れています。栄田には通用してませんが……たまにいますからね。そういう人。

耳舐めの行動に関しては、簡単に言うと『相手に自分を気に入ってもらおうと努力するけど、それがことごとく逆効果になっている』を目指しました。なんというかうまく表現できないのですが、『千代子さんのために』と思って行っている行動がすべて自分よがりの行動というか、千代子さんのことを考えてない行動というか。千代子さんを理解するというプロセスをすっとばしているため、すべて独りよがりになってしまう的な感じです。それはいわゆる愛情の押し付けなのではないかなぁとぼくなんかは思うわけです。相手のことを考えて身を引く決心をしたハナちゃんとはここが大きく違うところなんじゃないかなぁ。

最後、栄田と沙雪がちょっといい雰囲気になるのは、耳舐めの残留思念がそうさせたのか、あるいは……というところです。正直、主題をハッキリさせるのならもっと描写を変えた方がいいとは思うのですが、やっぱ主人公とヒロインのイチャつきって見たいやん!!笑

『無意味な生』てなんやねん

沙雪の話『お前は無意味に生まれたのではない』こそ、この『警部補の男と赤子喰らいの女』という物語の発想の大本になった夢の話です。

夢の方では、『我が子より彼氏』のママにすら見捨てられた赤ちゃんのマサルちゃんが沙雪に食べられて生まれた意味を教えてもらう的な内容でした。マサルママが気が強くてハスッパで、マサルの面倒よりも彼氏とのデートを優先する人でなしだった以外は初期プロットとあまり変わっておらず、夢のくせに話の筋が通っていて創作者として自分の夢に負けた気分です。

この話を書く上でキーになるのは『無意味な生』ですが、んじゃその『無意味な生』てなんやねん? と考えました。ぼくは元々、『人の生に意味なんて無い』論の支持者なんですが、そんなぼくでも思わず同情し悲しくなってしまうほどの無意味さって何だろう? と考えた結果が、作中の白鳥まさるです。作中でも言ってますが、『無意味な生』というより、『そんな意味しか持てなかった生』とでも言うんですかねぇ? タイトル詐欺です。

話のラストは『これから二人の話は始まる』的雰囲気を出せるよう、頑張りました。出てたでしょうか。

描きたかったのは、気持ち悪い親子ごっこ

大昔……もう10年以上前に見た光景で、今も鮮明に覚えているものがあります。

それは、とあるドキュメント番組で見た1シーンなのですが、親からはぐれたトムソンガゼルの子供と我が子を失ったメスのライオンが、雨の中寄り添って二匹で身体を温めあっている様子です。

人によっては微笑ましくうつる光景かもしれませんが、そのシーンを見たときのぼくの感想は、『気持ち悪い』でした。

一見親子のように寄り添っている仲の良さそうな二匹だけど、その本質はあくまで親子ごっこだし、そもそも食う喰われるの関係の二匹である……なんつーかその事実が、子供ガゼルとライオンが寄り添うそのシーンをめちゃくちゃ気持ち悪く仕上げてたんですよ。

今回、栄田と沙雪の二人を書くにあたって最終的に目指したのは、そのガゼルとライオンの気持ち悪さ。栄田は小さい頃に失った母の面影を無意識に追い続ける存在で、その気持ちが次第に沙雪に母さんの面影を重ねてしまうまでになります。沙雪は沙雪でどう思っているかは知りませんが、栄田の母として振る舞うことに抵抗はなさそう。

こんな二人の関係を『気持ち悪く』書けてればなかったなぁ……と思う次第です。

ネタはまだあるけど、書く機会はあるか

今後のことに関してなんですが、一応ネタとしてはあと3つほどストックはあります。

一つ目は『山犬人』という人面犬みたいな生き物の話。これは最終的に悲しい結末になる予定。なんか『人間って怖い!』的なありきたりな結末になりそうで怖い。でも『お前らの子々孫々、女子供にいたるまでことごとく噛み殺してくれよう!!』てセリフ思いついて、これどこかで使いたいなぁって思ってます。

2つ目は、霊能力を持った少年と無能力者のその父親の話。なんか間違った正義感って怖いねって話になる予定。

3つ目は、化け物になってしまった弟と、その姉の話。
よく映画なんかで、小さい男の子に『いいか。お前が姉ちゃんを守るんだ』て伝えるいいシーンが出てきたりするんですが、もしそれをホントにやったらどうなるんだろう……その結果、弟が犠牲になったらどうなるのよ……的な話にできたらいいなぁと思ってます。

でも多分書く機会はないでしょう。

最後に

書き始めから筆を止めては書き進め、また止まっては放置してのち書き進め……と気がつけば執筆に一番時間がかかった話になりました。

ほんとは絵描きさんに沙雪のデザインをしてもらって、それを表紙設定して……とか考えていたのですが、話の内容が内容なだけに話をするのを躊躇してしまったところがあり、そのままズルズルと公開までしてしまいまして。(子供をゾンビにしてしまうような話なので💦)

まぁ振り返れば引っ越しでゴタゴタしてるさなかに更新とかいろいろと無茶なこともやりましたが、結果としていい経験になりましたわ。

次はなんかキャッチーな話を書きたい。タイトルは『ぼくらの恋は、離婚から始まる』です。キーワードはキヨ警部補(本人が出てくるわけではなく)。

やいやい。


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