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声のコンプレックス【吃音症】

YouTubeなどで「吃音症(きつおんしょう)」について取り上げてるニュースを見かけると、ついつい目をとめてしまう。

というのも、僕自身が軽度の吃音症だからです。

「吃音症」とは、話すときにスムーズに言葉が出てこない障害のことで、簡単に言うと「どもる」話し方。

「あああありがとう」など同じ音を続けて言うケースもあれば、言葉に詰まるケースもある。

僕は言葉の1音目が詰まるタイプで、最初の音が「あ行」「さ行」「な行」だと特に言いにくいです。

調子がいい日は一度も出ないけど、調子が悪いと頻発する。脳内ではスラスラ言えるのに、思うように声が出ない。

息ができなくなって、呼吸の仕方を忘れて、一瞬パニックになる。

陸上で溺れるような、そんな苦しい障害だと思っています。

吃音は幼少期になりやすいみたいだけど、僕が自覚しはじめたのは高校生か大学生の頃でした。

就活の面接がすごくつらくて、答えに詰まってる自分を大人たちが怪訝な視線で見つめてるのを肌で感じて、余計焦って言葉が出なくなるのを何回も経験しました。

社会人になってからは電話が苦手で、「お世話になっております」や「失礼します」とか、なんで仕事で使う言葉は俺が苦手な音ではじまるんだっていうやり場のない思いを抱えて生きています。

自分が軽度の吃音症になった原因はよく分かってないけど、ストレスとかたまたまどもったのをからかわれたトラウマとかが理由のひとつなのかも。

緊張する場面や注目される場面とかだと吃音がでやすいから、人前で話すのはあんまりやりたくない。

逆にリラックスしてるときは「落ち着いてるね」「穏やかでいい声」って言ってもらえることがあってすごく有難い。声にコンプレックスがある分、声を褒めてもらえるのが一番嬉しいです。

自分なりにできる対策は、言いやすい言葉に言い換えることと深呼吸をすること。

例えば「2名(にめい)」は言いづらいから「2人(ふたり)」にするとか、コンビニとかの支払いでは「Suica」が言いにくいから「PayPay」使うとか。

なぜか「恐れ入ります」は言いやすいから、仕事のときは使いがち。電話業務もしなくてよくなったのはかなりストレスフリーかも。

あと僕が吃音でたときは、できれば急かさずに待っていてほしいです。見つめないでくれるとより助かる。

もし話してるとき僕に吃音がでたら、目線をそらして、ただ待っててくれると嬉しいです。そのうち自然と治まって、自分のタイミングで話せると思う。

「ゆっくりでいいよ」って言ってくれるのもいいかも。でも罪悪感で余計焦っちゃうかもしれないから、人によるかなぁ。俺は大丈夫。高圧的に聞き返してくるのさえしないでもらえたら、なんでもOKです。

最近観たYouTubeのニュース、最初から最後まで共感することばかりだった。

動画に出てた人たちもコメント欄の人たちも暖かくて、「ひとりじゃない」って思えたのは本当によかったです。

吃音があっても、人と話すのは好き。接客業にチャレンジしたい。そうやって挑戦する姿はすごくかっこいいなと思いました。

俺ももっとスムーズに話せるようになりたいし、頭の中にある伝えたい言葉を言い換えずに素直に言葉にしたい。少しでも長く症状が出ない日が続くといいな。

いろいろ書いたけど、正直あまり悲観してないし、吃音症っていう自覚も症状が出るまで忘れてることもある。

大人数の前で話すのは苦手だけど1体1で話すのはすごく好きだから、ぜひぜひ積極的に話しかけてくれると嬉しいです。

吃音症について少しでも知るきっかけになって、社会がもっと優しくなりますように。

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