見出し画像

迷子ちゃんを助けて迷子の気持ちを思い出す

先週の日曜日、とある広い公園へ母、私、長男、三男の4人で遊びに行きました。

次男はもう中学生なので、ひとりで家に留守番をしたいというので置いて行きました。思う存分、ゲームをしたかったのでしょう。

ま、1人と言っても、家庭内別居中の夫が家に居るので完全な1人ではないですけどね。

今回は、珍しくインドア派の長男が三男のシッター役を買って出てくれたので、私は久しぶりに母と積もる話ができるな〜と内心シメシメと思っていました。

高校生3年生の長男と小学2年生の三男は10歳も年齢が離れているせいか、長男が三男にメロメロなのです。

公園へは電車を乗り継いで行きましたが、三男がホームで少しでも危なっかしい動きをしようものなら長男がさっとカバーに入ります。
親の私の方が、しっかり見てなきゃダメでしょ!なんて叱られるくらいです。

公園に着き、広い園内をしばらく歩いて三男がお目当てにしていた遊具のところまで移動し、あとは母と私はベンチに座って三男が遊具で遊ぶのを遠くからのんびり見ていました。三男のそばにはずっと長男が付き添って、まるで若いお父さんのように甲斐甲斐しく遊びに付き合ってくれていました。
兄弟で歳が離れていると、こういう時に助かるなぁ〜なんて思いながら。

その日は梅雨の中休みで、久しぶりの良いお天気になり、園内はかなりの数の親子やカップルで賑わっていました。

すると、私と母の目の前をまだ4、5歳くらいの女の子が裸足で泣きながら「お父さんどこに行っちゃったのー!」と泣きながら通過していくではありませんか。

一瞬、「まだ帰りたくなーい!」とかワガママを言って親に叱られたあと、泣きながら歩いてる子かな?と思って歩いて行く先を見るも、親らしき人が居ない…。

突然現れたその女の子のことを、その場にいた数人の大人も「ん?どうした?」という感じで状況を理解しようと目で追っている感じでした。

私は思わず女の子のところへ近づき「どうしたのかな?お父さん居ないの?」と話しかけていました。

最近は、知らない人に話しかけられても「口をきいちゃいけないよ」とか、「ついて行くのもだめだよ」とみんな教えられているから、どんな反応するか心配だったけど…

女の子はあまりに大泣きしていたせいで、私の声が聞こえていないようでしたが、何度か「お父さん居ないの?」と聞くと「うん」と小さな声でお返事してくれました。

そして「どうしてお父さんいなくなっちゃったの〜!どこ行っちゃったの〜!」とまた興奮してきてしまったので「お父さん居なくなっちゃったのかー!でも大丈夫!お父さん居るよ!一緒に探そう!」と励ますと、ようやく少し落ち着いて泣き止んでくれました。

けれど、一緒に探すにも女の子は遊具で遊ぶために裸足になったようで、靴をはいていませんでした。裸足の子を歩かせるのは可哀想なので、「あんよ、裸足だから抱っこしてもいい?」と聞いて、抱っこしちゃいました。

頭の中では、今、この子のお父さんが見たら私は完全に不審者になってるかな?とちょっと心配しながら。
探してるお父さんがどんな人か分かりませんからね。「ウチの子に勝手に何するんだー!」って怒鳴られたらどうしよ?なんて思ってました。(笑)

そんなこと考えちゃうあたり、なんだか世知辛せちがらい世の中ですよね。

ちなみに、女の子を抱っこしたらめっちゃ軽かった。
ウチの子たち、みんな男の子で3人ともずっしり重かったので、おー!女の子軽っ!って新鮮でしたが、そんなことよりお父さん探さなきゃ!と、女の子が歩いて来た方へ戻ってみました。

そしたら突然、ちょっと吐いちゃいました。(泣)
嘔吐物を見ると、イチゴの果肉の入ったジュースのような…
一瞬、血か!?と思ってビビりましたが、よく見たら血ではなかったので少しの間、止まって様子を見ました。

女の子にも「きっとたくさん泣いたからお腹がびっくりして出ちゃったんだね〜」と言って「大丈夫!大丈夫!」と、おばちゃん頑張って励ましました。ティッシュもハンカチも母に預けたバックに入ってて、持ち合わせていなかったので、母のところに戻ろうか迷いましたが、また女の子が泣いちゃうかもと思って、戻るのはやめました。

そして、落ち着いたのを確認してからまた、抱っこしてお父さんを探していると…

「どうしたの!!!」と男の人の声

女の子のお父さんでした。

え?なんでウチの子が知らないお姉さん(いや本当はおばちゃん)に抱っこされてるんだ?ってな感じですね。かなり驚いて女の子を奪い取ってましたから。(笑)

私はもう少し抱っこしてても良かったんだけどなぁ。小さな子を久しぶりに抱っこして癒されましたから。でも、まあお父さんからしたらやっぱり半分不審者ですよね。(笑)

そして、女の子の吐いちゃった赤いシミを見てさらにプチパニック。

嘔吐した後のシミを見てまた「どうしたの!!!」と。

お父さん、ずっと「どうしたの!」しか言ってなかった。(笑)

けど、さすがに、迷子だったのが状況的に分かったのか最後に「すみません!ありがとうございました!」って言ってくれてました。「赤いのはさっき泣き過ぎて少し吐いちゃったんです」って伝えておきましたよ。

それにしても子どもって、本当に一瞬で居なくなるときがあるから怖いですよね。
子供からしたら、親の方が一瞬で居なくなってるんでしょうけど。(笑)

私も自分が子どもの頃よく、めちゃくちゃ小さなデパートで迷子になって、うわー!こんな広いところで親とはぐれたんじゃもうこの世の終わりだ…と思いましたからね。もうこれで親と一生会えないんだ。私はこの世でたった1人取り残されたんだ、って。
そして数分後に親を見つけると、何世紀ぶりに再会したんだよってくらい大泣きしてました。

あ〜懐かしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?