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#2 タコってどうやって釣るの?


noteに何を書いて欲しい?と北九州出身ではない当社の藏人に聞くと、北九州や門司の歴史的なものに関して社長目線で書いて欲しいとリクエストを受けました。きちんと書くには確認も含めて調査が必要で、そこまでするのは億劫なので、それを必要としない範囲で緩く書いていこうと思います。

 

北九州の海

福岡県北九州市は九州の玄関口であり、本州対岸の山口県下関市と北九州市門司区は最も短い地点で500mくらいしか離れていません。この関門海峡を挟んで、東側は周防灘、伊予灘、豊後水道、更には太平洋に繋がり、西側は響灘、玄界灘、更には日本海に繋がり、多種多様な魚を新鮮且つ安価で食べることができます。

 

関門ダコ

下関や門司と言えばやはりフグが最も有名ですが、タコも関門ダコという名前で特産となっています。1日4回向きが逆転し、その流速は日本で3番目に早い9ノット(時速約17km/h)という激しい潮流で育った関門海峡のタコはまさにマッチョ、デカ強な吸盤が足先までビッシリで足も太く美味として知られています。機会があれば是非食べてください。

 

タコの釣り方

さて、そんなタコですが、一般の人が釣る場合はどのようにしたら良いか、ご存じでしょうか。私は面倒がり屋で気が短いので釣りは苦手で、釣りをするなら素潜りの方が良いというタチですが、タコ釣りは嫌いではありません。なぜならば普通の釣りと違ってタコ釣りは手間が圧倒的に少ないからです。

 

仕掛け編

タコ釣りの仕掛けは釣具屋さんでも売っていますが、今回はこの仕掛けを作るところから説明したいと思います。※釣り方も仕掛けも色々あります

 

準備するものは、

・かまぼこ板
・タコ糸
・平べったい錘(鉛)
・かけ針
・激安スーパーで買った冷凍の手羽先(なんでもいいっちゃいい)

以上です。

 

まず、かまぼこ板の裏側(今のところどちらが表も裏もありませんが)に錘を付けます。これは仕掛けが海底に沈むようにするための処置です。沈めば良いだけなのでタコ糸でぐるぐるに縛るで構いません。同時にかけ針をかまぼこ板下部に付けます。これはタコを引き上げる時に外れにくくするための処置ですが、針自体に返しがついているわけでもなく、私は無くても問題無いような気がしています。ここまでが出来たら、最後にかまぼこ板表に、生の冷凍手羽先をタコ糸で縛り付けます。市販の仕掛けではカニ型の模型だったりするので、ここもまあまあ何でも良い説がありますが、臭い、動き、形、色、音、どれかが食べ物っぽいだけでやって来る、タコはそんなフッ軽な奴です。仕掛け作りはこれだけです。

 

無題 - 2022年4月12日 17.02.28 2

 

釣り編

この仕掛けを糸につけ海底に沈め、ズルズルと海底を引き摺ると、タコはこれを見つけ餌と思って仕掛けに抱き着いてきます。魚釣りでは「かかった」と言いますが、タコ釣りではこれを「乗った」と言います。針にかかっているというよりも、8本の足で仕掛けに覆い被さっている状態なので、この表現は言い得て妙です。

 

最初のうちは、これが海底の何かに引っかかったのか、それともタコが「乗った」のかわかりにくいかもしれませんが、慣れてくるとその差は明確にわかるようになります。そしてタコが「乗った」ら糸を巻き上げていけばタコとご対面です。個人的な印象ですが、タコは巻き上げられているときに「やばい」とは思っておらず、逆にこの獲物を逃してなるものかともっと強く抱きしめてくるような気がします。もう他に探すものはないくらい、季節が巡っても変わらないくらいに。魚釣りのようにかかっても外れたりは少なく、何なら一度外れても再度抱き着いてくる、タコはそんな情熱的な奴です。

 

岸壁から釣るときは、この仕掛けを釣り竿につけてキャスティングして巻いていく手法をとりますが、やはり一番のおすすめは船で流してテグス(糸を直接手で巻いていく)で釣ることです。船のエンジンを止めると船は潮流に乗って流されます。タコの仕掛けを沈めておけば、それに乗って仕掛けは海底を引き摺られていきます、そしてタコが「乗った」ら巻き上げるというわけです。

 

タコ釣りの楽なところは、撒き餌も必要ないし、シャクリも必要ないし、何よりエサの付け替えも必要ないところです。タコは仕掛けに抱き着いているだけなので、釣れたら仕掛けから引き剝がせば、もうすぐに再度海に沈めることができます。携行品も少なく、作業も少なく、釣って楽しい、食べて美味しい、そんなタコ釣りを皆さんも体験してみてはいかがでしょう。

 

最後に:タコを逃がすな

最後に、生きたタコを家に持って帰ったら、油断せずにきちんと仕留めましょう。タコの生命力や機動力を舐めてはいけません。私はキッチンで捌き中に一匹がシンクから逃げ出し、冷蔵庫の裏に入り込んでとんでもない目にあったことがあります。

それでは次回!

無題 - 2022年4月13日 09.49.24


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