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オウンドメディアのコンテンツ量と質を両立して、1年で月間100万PVを達成した事例

1.コンテンツの量と質はどちらが重要か?

オウンドメディアのコンテンツについて、「量と質のどちらを優先するべきなのか?」という疑問はよく議題に上がるテーマだと思います。

「どちらが重要か?」という聞き方だと、もちろん結論は「どちらも」になるでしょう。しかし、量と質を同時に担保しようとするのは実際には難しく、最初からどちらも取ろうとすると、どちらも実現できずに計画倒れになる危険性が非常に高いというのが、今までいくつかのオウンドメディアの運営に携わってきて思っていることです。

最終的にはどちらも両立させるために、まずはどちらから注力していくかという戦略を立てる必要があります。

今回は、「量→質」の順番で注力をし、オウンドメディアを本格的に運用し出してから約1年で月間100万PVを達成した通信教育サービスを取り扱う企業様の事例を基に、量と質をどう両立してオウンドメディアで成果を出していけるのかを考えた結果をまとめていきます。

2.まずは見てもらわないと意味がない。毎日1記事以上更新

私は基本的には、メディアの運用をし始めた初期の頃はコンテンツの「量」の担保が必要だと考えています。

その理由の1つは、質は見られてからどれだけ価値を感じてもらえるかの話であり、まずはそのコンテンツ自体が閲覧されないと、どれだけ質を上げても意味がないからです。

閲覧数を上げるには、検索された時に上位表示されるキーワードを増やしていく方法(SEO対策)が有効です。そこで、各検索キーワードに対応した記事をまずはどんどん書いていくことが必要になります。

しかし、闇雲に片っ端から記事を書いていくのは効率的ではありません。ここで意識したいのは、アクセス数にインパクトを大きく与えるべく、「SEOで上位表示が狙えそうなキーワードからとにかく潰していく」ということです。

私は、KWの選び方のポイントとして、以下の点を特に意識しています。

①ニッチなKW

どの競合他社も狙っているようなメジャーすぎるキーワードをいきなり狙うと、どうしてもドメインパワーが大きい大手のメディアサイトに負けてしまい、上位を狙うことが難しくなってしまいます。

例えば、私が所属する株式会社リスティングプラスのオウンドメディア「リスマガ」では、その分野でNo.1を取るのが難しい「マーケティング」などのキーワードではなく、まずは「リスティング広告」「Facebook広告」など、より自社の強みが活かせるキーワードで1位を狙って執筆をしています。

今回の通信教育サービスの企業様の場合も、膨大な数の競合がいる「通信教育」のキーワードではなく、「資格名+関連キーワード(勉強法など)」というように、自社がNo.1を取れる見込みがある分野のキーワードを狙い撃ちして攻めていきました。

②検索ボリュームが多すぎない

ニッチなキーワードを見つけるポイントとして分かりやすいのが、検索ボリュームです。検索ボリュームが多すぎるキーワードは競争率も高いので、最初に執筆していくキーワードとしては不向きです。

私の場合は、最初は月間検索ボリューム200~400くらいのキーワードから執筆をしていくようにしています。このくらいのボリューム数だと競合も少なく、1位が取れる確率が高いと考えています。記事数が増えてきたら、それ以上の検索ボリュームの記事にチャレンジするようにしています。

③上位表示記事を見て、勝ち目がありそうなところ

ここは目視で確認をするしかありませんが、①②で狙いを定めたら、念のためそのキーワードで本当に勝ち目があるか、上位表示されている記事をチェックします。

最終的には強い競合がいたとしても勝てるようなコンテンツを制作することが必要ですが、最初の段階は極端に強力な競合がいないキーワードから狙って執筆をしていく方が、早く成果を上げることができます。

しかし、いくら「最初は量が重要」といっても、一定の質の基準は超えていないと上位に表示することもできません。

その基準をどこに置くかですが、私は「ユーザーの検索意図に、競合よりも十分に的確に答えているか」ということだと考えています。

これがクリアできれば、第一稿としては合格なのではないでしょうか。

ここで「第一稿」という書き方をしましたが、オウンドメディアのコンテンツは、常にブラッシュアップをしていくことを前提に執筆をしています。ここに、「最初は量を重視する」もう1つの理由があります。

「どのキーワードであれば1位のポジションを取れるのか」「どんなコンテンツがユーザーの求める【質の高いコンテンツなのか】」は、最初に何もない状態で考えるよりも、実際にコンテンツをリリースしてからの市場の反応を見てから考えた方が確実です。

最初から何時間もかけて制作したコンテンツが、いざリリースしてみたら全く伸びなかった、、、という結果になってしまうと、時間を無駄にしてしまいます。

そのため、まずはある程度の基準で記事をリリースしてから、実際の反応を踏まえてリライトをしていった方が効果的な改善ができると考えています。

もちろんこのやり方が効くかどうか、第一稿でどのくらいの質で勝てるかは市場の状況によると思います。

ほとんどのキーワードで強い競合がいる場合には、最初からかなり質を高めないといけない場合もあります。しかし、原則最初は、まだポジションが空いている「穴場のキーワード」を見つけ、そこを潰していくのが効率よくパフォーマンスを上げていく方法だと思います。

今回の事例では、12月下旬から1日1記事以上更新し出したのですが、その前後でのパフォーマンスの伸び幅(自然トラフィックのみ)は以下のような変化が出ています。

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1日1記事更新をやり出す前は1ヶ月1.03~1.08倍の成長率でしたが、更新頻度を上げ出した後は、1ヶ月1.38~1.39倍ほどの成長率を記録しています。

3.記事量の担保ができたら、既存記事のリライト

上記のやりかたで執筆をしていくと、一通りねらい目のキーワードが網羅できてきます。その段階になったら、今度は既存記事のリライトをしていくのが良いと思われます。

実際に、今回の事例では、運用開始後4ヶ月目くらいから、新規記事の執筆と並行して既存記事のリライトを行い始めました。

リライトを行う時にまず着手したいのは、「もう少しで1ページ目に表示できそうな記事」です。つまり、その時に2ページ目~3ページ目にある記事からリライトをしていくと良いと考えています。

なぜかというと、自然検索の閲覧数は「1ページ目かそれ以外か」でかなり差が出てきますので、仮に圏外の記事を3ページ目などに頑張って持ってくるよりも、2ページ目の記事を最小の力で1ページ目に上げられた方が、改善のインパクトがはるかに高いからです。

ここでのリライトの方法は、

①再度競合の分析をして、足りないコンテンツを補完する

②今1ページ目に出ているサイトをチェックしながら検索意図がズレていないかの確認をする

ことがメインです。

4.オリジナル性を高めて、さらに質を向上させる

キーワードもほとんど網羅できてきて、検索意図にも十分に答えられている記事が増えたら、検索意図に対してのアンサー+αの価値づけをしていきます。

今回の事例でも、1日1記事以上、月30~40本で執筆をしていきましたので、正直それまでの既存の検索キーワードや検索意図からの逆算だと、コンテンツのネタが無くなっていくという問題に直面しました。

ここでいう+αは、自分しか持っていない独自のノウハウを盛り込むことです。

オリジナリティがあり、かつユーザーから見ても価値の高いコンテンツの切り口としては、実際のユーザーの声がかなり有力な情報源になります。

今回の事例では、実際に顧客から寄せられる良くある質問を元にコンテンツのトピックを考えたり、自社の顧客がサービスを利用した感想をコンテンツに盛り込んでいき、自社にしか書けないオリジナルコンテンツの制作に成功しました。

5.まとめ

このように、戦略的に記事の量も質も両立をした結果、約1年で、サイトのPV数を100万PV以上にすることに成功しました。

ポイントは、

・まずは1位が獲得できる見込みが高いポジション(KW)を確実に獲っていく=そのポジションを網羅するコンテンツ量が必要

・キーワードが網羅できたら、1つ1つの記事の質を高めていく

ということです。

今回の事例では「いかに最短でメディアの閲覧数→商材の購入数を上げるか」ということをゴールにした事例でしたので、オウンドメディアの目的によっては、このやり方が成立しない場合ももちろんあります。

今回の場合と同様に、最短で売上アップに有効な数値を伸ばしたいという方は是非参考にしていただければと思います。

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