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黒岳の山頂を目指してみる・・・おススメです!

日本最大の大雪山国立公園に隣接する美瑛から、本格的な登山&縦走を始めるコースへのアプローチはさほど遠くはない。もっとも本格的な登山となればそれなりにハードルが高いので、誰でも“ちょっと行ってみよう”とはならないけれども、日帰りのトレッキング(登山もどき)で、2000m級の山々の山岳風景に会いに行けたら、ちょっと楽しいとは思いませんか?高山植物の可憐な花畑や、一足早い美しい紅葉、年中溶けることのない残雪や雪渓が織りなす、美しい山岳景色。そしてなんといっても澄んできれいな空気を胸いっぱいに吸い込めば、それだけでちょっと嬉しい気分になってしまう・・・。
白金温泉の少し上、望岳台から十勝岳山頂まではざっと3時間半。さらに上富良野側に移動して、陵雲鶴から富良野岳を目指せば2時間半ほどで山頂に行くことができる(らしい、行ったことがないので、正確にはわかりません)。
あるいは車で35分ほど走って旭岳ロープウェイの乗り口から、ロープウェイを使えば、あっという間に標高1,600mまで行くことができる。そこから旭岳山頂まではおよそ3時間弱。日帰りをしたいと思うと、十勝岳や富良野岳同様、ぎりぎりの線ではないだろうか・・・?ましてやちょっと足の調子が悪かったり、体調にあまり自信が持てなかったりしたら、無理して山頂まで行くのは得策ではない。

なんて行ってもいないのにあれこれ頭でっかちになっていた自分に、スタッフが「黒岳に行ってみましょう」と誘ってくれた。黒岳と言えば、層雲峡まで車で行って、そこからロープウェイ、リフトと乗り継いで、いよいよ登山開始となるあれか・・・、と、また頭でっかち先行で考えてみたが、“日帰りで行くには、ちょっと遠くないかね?”という疑問が残る。聞けば
・近くはないけど、無理なく日帰り可能な距離。
・ロープウェイとリフトで、いっきに1,514mまで行くことができる。
・360度の大パノラマが広がる山頂は、絶景の極み。
なのだそうな。
せっかっく山岳風景に日帰りでも触れられる地に住んでいるのだから、できることなら行ってみたい。ちゃんと人様にご迷惑をおかけすることなく行って、戻ることができるだろうか・・・?何とか帰ってきた後に、疲労困憊で生活できなくなるほどの筋肉痛などに悩まされないだろうか???そんなあれこれが気になるが、これもコロナ禍が与えてくれたチャンスと考え直して、お天気予報を睨みながら、いざ出陣したのは9月4日の午前5時だった。

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行って戻った過程を淡々と記載すれば、こんな感じになる。
・5:15 A.M、美瑛の自宅を車で出発。6:45に黒岳ロープウェイ乗場に到着。
・7時のロープウェイに乗り、10分で黒岳駅到着
  ※ロープウェイは20分おきに運航。101人乗りに25人ほどで乗車。
・リフトに乗り換えて約15分で登山口到着。ここからは自力で登る。
  ※登山口1514mから1.7kmを歩いて1984mの黒岳山頂を目指す。
・9時半頃に黒岳山頂に到着。登山はおよそ1時間45分。へとへとになる。
・山頂では好天も手伝って、360度の絶景に心躍る。
・10時半、ゆっくり下山開始。意外に下りるのも辛い。
・11時半に最初のロープウェイ乗り場まで無事に帰ってくる。
・乗り場併設のカフェ(Black Mountai Cafe)でコーヒーを飲む。
  ※アウトドアブランドのコロンビアのSRを兼ねたカフェはオシャレ。
・車で帰宅。途中で昼食を済ませ、午後2時過ぎには美瑛の自宅に戻った。
  ※日帰りは、十分射程距離範囲内。

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というわけでいくつか感想を書き残しておきたい。
何といっても一番は、大いに行く価値あり、ということ。3,000円のロープウェイ+リフトが少し高い気もするが、このルートも歩くとなれば、絶対に日帰りは無理だし、そもそも山頂に至るまでの体力が持たない(私は)。
駐車場も無料なので、このロープウェイ+リフトは迷うことなく利用する方が良さそうだ。あとは登山道がやや急なので、スローペースで登れば、無理なく登頂できると思う。今回は1時間40分程度で登ったけれども、もう少し途中休憩をはさんで2時間くらいでいいんじゃないかと思う。きっとその方が、下りて来た際の疲労度(筋肉痛)も随分緩和されている気がする。
登山道を歩き始めて間もなく、いわゆる山岳風景が広がってわくわくする。今回は途中で3度ほどシマリス君の表敬訪問にも出会えたし、山頂の大パノラマは、たどり着いたものだけに許される、絶景の極みだ。お天気の影響大なので「いつ行っても」とはならないけれども、日帰りでこの絶景なら、“行くべき”と言いたいくらいだ。

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次に、下山直後に寄ったカフェについて。コーヒーは美味しかったし、オシャレで開放感あって、落ち着いたいい雰囲気のカフェだったけれども、私たち以外にお客さんはゼロ。週末土曜日の正午ちょうどだというのにだ。
そもそもコロナ禍で、来客数が少ないのは否めないけれども、これではコロンビアも撤退を余儀なくされてしまいそうだ。レギュラーサイズをオーダーしたけれども、量はたっぷり(ラージサイズは、僕には多分多すぎるだろう)で400円とリーズナブル。コロンビアのウェアなんかもチェックできて(展示数は多くはない)、店の雰囲気ともども申し分なしなんだけどなぁ・・・。コロナ禍やら、北海道の観光地の抱える課題やら、考えさせられることは多い。

最後に、自分自身の体力について。もともと運動神経は悪くはないが、体力(持久力)はあまりない私。黒岳登頂をこなせるかどうか、前にも書いた通り不安だった。結論から言えば、どうにか行ってくることができたし、大いに筋肉痛に悩まされたけれども「使い物にならない」ほどはひどくなかった。62歳と言えば、僕が小学生の頃は紛れもない老人だった。果たして、その年になった自分が、しかも普段なんら体力づくりに尽力しているわけでもないし、登山(初歩の初歩だけど)を2時間ほどもできるのか、大いに心配していた。
今回結果オーライで、あの絶景を見てしまったら、年に1度や2度は出かけてみたいなぁと思う。なので、ほんの少し体力づくりをしようと思う。まずは「歩くこと」かな。

最後に言いたいことは、“黒岳へ、ちょっとした山登り。おススメです!”

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