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なんでインフレ率2%を目指すの?

インフレってなに?

インフレとは「物価が上昇して、お金の価値が下がる」ことです。まあ、ここまではわかります。それで、なんでインフレさせなきゃいけないの?モノの値段上がったらお財布から出ていくお金増えるじゃん?貯金しているお金の価値下がるじゃん?ってなりますよね。ってことでインフレ率2%を目指す理由を解説します。インフレさせなきゃいけない主な理由は2つです。

①失業者が量産されるから

フィリップさんっていう経済学者のえらいおっさんが過去の膨大なデータからこの関係式を導き出したんです。きちんとした経済学的な根拠があるんです。フィリップさんが見つけた関係式なのでフィリップ曲線っていいます。Fig.1を見てください。

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Fig.1 フィリップ曲線

フィリップ曲線が言っていることはインフレ率が小さいときはニートが量産されて、インフレ率が上昇すると雇用が増えるってことです。そしてあるところまでいくとインフレ率が上がってももう雇用は増えませんよってことです。
そのときのインフレ率がだいたい2%なので政府は目標インフレ率を2%に設定しているんです。インフレするとなぜ雇用が増えるのかについては別の記事で解説します。つまり、政府は失業者を減らして社会を安定させるためにインフレ率2%を目指しているんですよってことです。

②日本での労働価値が減るから

これは世界規模で考えたときのお話です。①に従って、失業者を減らすために各国が目標インフレ率は2%を目指しています。そしてアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどの先進国はインフレ2%をほぼ達成しています。こうなったときにどうなると思います?日本での労働の価値が下がるんです。

例えばアメリカではインフレ率2%を達成しているので物価・賃金が上がります。(アメリカ人Aさん:2020年リンゴ1個作ったら100ドルの給料→2021年にリンゴ1個作ったら102ドル給料)
日本で仮にインフレ率0%だとしたら物価上がりません。(日本人Bさん:2020年リンゴ1個作ったら100円の給料→2021年リンゴ1個作ったら100円の給料)
仮に100円 = 100ドル(数字はめっちゃ適当)で考えます。リンゴ1個の価値を基準に考えると2020年には100円と100ドルが交換できるので日本人Bさんの財布は100ドル、アメリカ人Aさんの財布は100円が残ります。しかし2021年には100円と100ドルを交換すると日本人Bさんの財布には100ドル、アメリカ人Aさんの財布には100円と2ドルが残ります。
あれ?同じリンゴ1個作っているのにアメリカで作ったアメリカ人の給料の方が高いじゃん!ってことです。難しくいうと円の実効為替レートが下がっているっていうことなんです。仮に35年間、アメリカが年2%インフレし続けて、日本がインフレなしで0%だとすると日本での労働の対価が1/2になってしまうんです。同じ価値のリンゴを作っているのに給料は半分。やってられるかーっ!ってなりますよね。だから日本も年2%くらいを目標にインフレしていかなければだめだよねってことなんです。

インフレして物価・賃金を上げていかないと、今の日本みたいになってしまうんです。詳細は下記をご参照下さい。

興味のある方は以下記事も確認してみてください。


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