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続・「鉄壁の株式市場」vs「金利上昇」- 株の買い戻しはどこまで続くのか。

 5月米雇用統計 

    失業率     13.3%    予想 16.5%    前月 14.7%

 非農業部門雇用者数 +205.9万人 予想 ▼800万人 前月 ▼2,068.7万人

 「予想外の雇用改善でNYダウは一時+1,000ドル急騰」

 だそうである。「こんなの見たことない」指標の連続でエコノミストの皆さんも”予想”すること自体難しかったとは思うが「それにしても」である。

主要株価 05 Jun 20

 これだけ”前代未聞”が続けばこの程度の違いは「誤差」の範囲内だと思うが、ここまで株が上がると言うことは「株価は過大評価」の大合唱(5/14稿)で想定された通りまだまだ「買い残り」が存在した、ということだろう。*「こんなのおかしい!!」の罠(2/6,7,10稿)にはまって中途半端にショート(売り)から入って踏み上げたトレーダーもたくさんいそうだ。

 (絶対ではないが)経験上何かのリスクポジションを取る時には、「買いと売りとどちらが怖いか」と自問して「怖い方」が利益を生むことが多かった逆に「こんなのは高すぎるから絶対売りだ!」と自信満々で挑んだ相場で勝った試しがない。客観的に見れば、それだけ同じポジションを取っているトレーダーが多いと言うこと。売りが80~90%に達すれば後は買い戻しで相場は上がるだけだ。リスクは「恐る恐る」取るぐらいが丁度良い

 一方の国債市場も「順調に」金利が上昇している。

$  FF- 2- 5- 10yr  05 Jun 2020(グラフ)

実質金利G8(after CDS)@05 Jun 20

 ただこの程度の金利上昇では「鉄壁の株式市場」を阻むまでには至らないので、今後株式市場の動きと共に「臨界点」を探る動きとなるだろう。物価指標次第では「実質金利」が急騰する可能性もある。実際5月の米CPIは年率@+0.3% → @-0.8%という予想もあり(当たるかどうかは不明(笑))、計算上10年米国債の「実質金利」@0.41% → @1.51% に上昇する。

 「損切丸」もマーケットの老兵(56歳)としてできる限り数値の検証はしているのだが、この「コロナ相場」は想像を超えている。この数年もずっとそうだったが、特に「機械の支配する株式市場」には「人間味」を感じない。あまり予断を持たないことだろう。

 ここまで株価が上がると余りに値段が高くて買うのは「怖い」が、経験則で言うと短期的にはまだ「買い」が有利なのかも。とにかく「需給相場」は買わなければいけない人達が買い終わらないと収束しない

 「損切丸」ももう少し若くて現役だったら向こう見ずに株ショートで売り向かって玉砕した口だったかも(苦笑)。マーケットは恐ろしい。人生と一緒で「落とし穴」が一杯有るので謙虚に望むことが大事だと改めて思う。

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