「ホワイト国除外」と「信用状」ー「輸出管理措置の見直し」についての誤解。

 「損切丸」、実はマーケットの仕事に従事する以前、某日本の銀行の一支店で外国課に配属され、輸出入金融の仕事に約3年携わった経験がある。昨今巷で話題になっている「輸出管理措置の見直し」や「ホワイト国除外」について、銀行や行政の絡みで多々誤解が見受けられるので、その頃の実務を思い出しながら、輸出入の現場の仕事を一通り解説してみよう。

 輸出入にあたり最も気をつけなければいけない点は、商売相手が自国の外にいる事。法律も商習慣も全く違うため不確定要素が多く、お金がきちんと決済されるかどうかのリスクが自国内の取引よりも遙かに高い。そこで利用されているのが、銀行が取引に保証を与える「信用状」だ。英語ではLC=Letter of Creditと表記される。国内でよく使われる商業手形をベースにした取引を国境を越えて行う、と考えて頂ければ良いだろうか。

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