「フェイスブック、仮想通貨Libra発行へ」 其の2

追加で情報を加えます。「Libra」については、法定通貨との交換値を安定的に行う、いわゆるステーブルカレンシー(Stable Currency)として始める模様。従ってBTCのような価格の乱高下は起きない設計なので、筆者が想定したような法定通貨の減価効果がすぐに現れることはなさそう。

ただ、外国為替相場でも1ドル=360円の固定相場から、円買い需要の増加に伴い240円、そして変動相場制に移行していった歴史を考えると、長期的には仮想通貨にも値上がり価値が出てくる事が考えられる。まあ全ては仮想通貨の需要と流通の状況次第、といったところか。

(参考)ドル円の固定相場以外にも、例えばERM(←EUROの前身)のように為替相場をレンジ内で安定させようという試みが過去にあったが、ことごとく失敗に終わっている。あの有名なソロスのポンド売り攻撃により英国はERM離脱を余儀なくされ、市場の混乱を招いた。その他、多くのマイナー通貨がドルと連動させるドルペッグ制を布いたが、ほとんどが変動相場への移行を余儀なくされている。

そしてやはり、というべきか、アメリカの下院議員がLibra発行の停止を働きかけているようだ。送金業務や滞留資金を持っていかれる金融業界からのロビーイングなども考えられ、様々な利害が交錯しているのは想像に難くない。結局は我々使う側の意向、需要が反映されていくとは思うが、これから数年はすったもんだがあるだろう。

まだLINE社は否定しているが、仮想通貨の発行を準備しているらしい。名前も「Link」だそうだ。(どこから情報が漏れるのだろう?)そりゃあ、どこも遣りたいだろうなあ、何せ銀行業務ができるのだから。銀行にとっては送金業務などお荷物かもしれないが、資金調達しなければいけない会社にとっては滞留資金が見込めるしおいしい話だろうなあ、金利を払う必要がなくなるのだから。

既存の銀行はどうするつもりなのだろう?FBやLINEが仮想通貨建でクラウドファンディングまで始めたら、殆ど役割がなくなってしまう。また金利機能を持たない仮想通貨はこれまでのように中央銀行が金融政策で制御していくことはできないであろうから、国家はどうやってコントロールしていくつもりなのか?疑問と興味がつきない=それだけチャンスが多いということ。

金融関係の知り合いに尋ねたところ、銀行員に質問すると10人のうちほぼ10人が仮想通貨なんて、と否定的らしいが、これは本当にわかっていないか(特に50代以上)、相当ヤバいと思っている事の裏返しなのかもしれない。「銀行消滅」?いやいや冗談で済まなくなってきた。

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