見出し画像

続・レパトリ(Repatriation)=「損切り」祭りが始まる?

 今日(6/21)の日経平均の下げ引け@28,010.93 前日比▼953.15)も凄かったが、アジア時間にも関わらず米国長期債の「踏み上げ」も凄まじかった一時10年は@1.37%、30年は@1.95%まで低下。まさに ”阿鼻叫喚” (その後10年@1.43%30年@2.02%まで急速に戻した)。

画像1

画像3

画像2

 米国債の「スティープニング」取引については、これで一旦「損切り」クライマックスとなっただろう。5-30年金利差2月の+164BPから+108BPまで▼56BP、急速に縮小。それも6/16の ”びっくり利上げ” からたった5日間の出来事だ。これではトレーダーはひとたまりも無い。汚い例えで恐縮だが「嘔吐現象」の3回目だ。まだ気分が悪くてハアハア言ってはいるが、大方 ”悪い物” は出きった。

 株式相場がどの程度 ”気持ち悪く” なっているのかはわからないが、少なくとも日経平均には ”一発目” が来たビットコイン@$33,000.-台まで落ち、大分具合が悪いすっきりするまで「生理現象」が続くかもしれない。

 NYダウ先物は欧州時間に買い戻しが入っているため、相場が持ち直す可能性もある。だが投資銀行もファンドも米国債やビットコイン、株等で失った「お金」は少額ではあるまい「穴埋め」=レパトリ(Repatriation)の必要も出てくるため、利が乗っているポジションには売り圧力がかかるだろう。ちょっとした「大相場」(言葉が矛盾?)になっているので、まだ ”余波” が残りそうだ。

 エマージングマーケットも気になる。FRBの ”利上げ” にも関わらず10年超の米国債金利はむしろ低下しているが、例えばトルコリラは売り圧力を受けているし、ブラジル国債金利は更なる利上げ観測が支配的で、10年債@9%台で推移している(そのお陰で為替レートはレアル高)。

トルコリラ(1年)

画像5

 米国債については、 ”びっくり利上げ” が主因①物価連動債(TIPS)の投げ②先物の買い戻し、更には「スティープニング」取引の「損切り」によって引き起こされた「技術的金利低下」の ”嵐” であり、「損切り」祭りが終われば何事もなかったように金利上昇に転じる可能性もある。その反動の金利上昇で起きるエマージングマーケット等への影響も気掛かりだ。

 とにかく2021年はこんなものでは済まないだろう。

 「山高ければ谷深し」

 過去2年間、株や暗号資産にとっては長く「幸せな時間」が続いたため、その反動は覚悟しなければならない。「生き残り競争」の号砲が鳴っている。とりあえず大荒れの東京市場の速報として記しておくが、さてトリプルウィッチング(株式先物取引、株価指数オプション取引、​個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なる日)後の今晩の米国市場や如何に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?