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「投資」の "3車線" 。

 高速道路を走ると "3車線" に分かれることがある。皆さんはどの車線をよく走られるだろうか。筆者は真ん中の車線を基本として、追い越しが必要な時だけ "追い越し車線" に出てまた真ん中に戻るの繰り返しだ。

 できるだけ "追い越し車線" には出たくないのだが、主な理由は:

 ①ベンツとかレクサスとか猛烈なスピードで直進してくる車に煽られる

 ②一度スピードを上げるとそのまま "追い越し車線" に留まることになる

 目的地に早く着くのはいいのだが、事故リスクも高まるし何しろ疲れる。知り合いの1人はずっと左側の車線を@70~80㎞で走るという。100㎞ぐらいなら目的地到着時間に大差がないし、落ち着いて運転できるからだ。確かにそれも1つの考え方だろう。トラックなど毎日長期間運転する職業運転手もこの感覚に近いのかもしれない。

 この "3車線" の選択はまさに「投資」の例えにピッタリくる

 ①左側=安全運転 ー 目的地への到達は遅れるが変動は少ない

 ②真ん中=平常運転 ー 多少リスクは上がるが到達時間は短縮される

 ③右側=追い越し車線 ー リスク負ってもできるだけ早く目的地へ

 バブルの時は "追い越し車線" に車が殺到し、 ”大事故” (=株価暴落)が起きたため、その反動で②③を走っていた車も安全最優先でどんどんに移った。結果、①のろのろの渋滞運転(デフレ、低金利)になった。

 だが時間が経って何人かの人が気が付く:

「 "追い越し車線" 、ガラガラじゃね?」

 道が空いているなら事故リスクも低い。しかも目的地に早く着く。ビットコインを始める人が出始め、次々と目的地=投資目票額に到達それでも大半の日本人は左側を低速度で走ったままだ。あまりに長く低速走行に馴染んでしまったため、スピードを上げるのが怖いのだ。

 ところがここで突如高速道路の "料金体系" が変わる。「走行距離」ではなく「走行時間」毎の従量料金になるという。これがインフレである。

 さあこうなると①でゆっくり走ってばかりもいられない。のろのろ運転していたら料金はかさむばかり。運転に覚えのあるドライバーから、あるいはへと車線を変えていき、道路の状況は徐々に変化。それでも "ゆっくり運転" しかできない人々は料金がかかっても「安全運転」を続けるしかない "追い越し車線" を突っ走る車を横目に、こう文句を言位始める:

 「あんなにスピードを出したら危ないじゃないか!!」

 自分が「安全運転」をしている事が心の拠り所なのだろう。だが確実に料金は増えていき、堪えきれずに車線変更を始める

 こうなると状況はまた変化し始める。

 今まで70~80㎞で走っていた車が②100~120㎞の車線に移ると流れが悪くなる。クラクションを鳴らされたり煽られたり。これはかなりのストレスだ。疲れも増して軽微な事故も増え、②のレーンはギクシャクしてくる

 そうすると中には②から③ "追い越し車線" に車線変更してくる車が増え出す。しかし③は1秒でも早く目的地に着いて料金を減らしたい輩ばかり。中には150㎞とか180㎞で飛ばすバカもいる。やり過ごそうと思っても、ギクシャクしているレーンは戻るのも難しいし、やむを得ず150~180㎞までスピードを上げれば冷や汗ものだ。

 こうなると今度はいくら料金が安くなっても事故リスクの方が問題になってくる。案の定、②や③では事故が頻発するようになり、大怪我死亡事故まで起きるように。これでは到着時間どころか命の危険が増す。

 そこで今度は速度規制を強化マーケットなら「金融引締」「増税」だ。さもなければ事故やクラッシュが頻発してしまう。

 2019年4月から書いてきた「損切丸」だが、ここまでの相場、マーケットの展開はザックリこういう風に見えている。アメリカなら "追い越し車線" を走る車が多そうだが、今は事故が起き始めたところか。

 "3車線" の例えで大事なのは:

 ①目的地はどこか

 ②自分が走れるスピードはどのくらいなのか

 ③今どの車線を走るのが適切なのか

 目的地に辿り着くルートはいくつもあるし、かかる時間も皆一緒じゃなくても良い。ただ a. かかる料金(コスト)b. 乗っている車の性能c. 自身の状態(疲れ、精神状態等等)をよくよく考えた上で、それぞれに最善の選択を目指すことが大事。100%は無理でも「ああすれば良かった」と後悔しないようにしたいものだ。プロの端くれだった筆者も、幾多の苦い経験から心掛けてきた信条でもある。少しはずるくてもいいのである(笑)。

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