ハンチバックを読んだ
感想
あらすじを書くといろんな細かいニュアンスが失われる。もっと細かい気を使いたいが無理なのであきらめてざっと書いた。
小説の冒頭で、主人公の女性が書いている風俗のレビュー記事の書き方がすごいリアルだった。男性が実際に書いているレビュー記事は、もっと汗臭いというか、湿度のある文章になる。主人公は女性であって、実際に女性が書いていそうな文章になっていると言う点ですごいリアルだった。
作者が実際の障害者で、当事者としてこの文章を書いている。普段小説を読んでいて、作者の経験なのだろうかとか考えたことはないが、今回はどこまで実際の経験なのかとかが気になってしまった。
妊娠して堕胎したいと言う。彼女の夢に関しては共感はできないが、なんとなく理解はできると言う感じがする。ある種のリベンジというか。
田中さん(男性ヘルパー)の発言に含まれるトゲがリアル。読んでいるだけでけっこうドットダメージを食らう。
小説のまとめ方、終わらせ方すごい。どうして田中さんは主人公を殺したのだろうか。お金をもらえなかったから、口に出したことによって肺炎にさせてしまった罪悪感、とか適当に浮かぶ。行為はある種の男性優位のものだったが、そこにいたるまでの流れとかが実質主人公に見下されていたから、とかだろうか。
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