金曜日の16時、新宿の

 紀伊國屋書店の前で、ヴィヴィアン・ウエストウッドの服を着た年齢不詳の美しい女性とすれ違った。
 その後ろ姿を見つめながら、わたしはヴィヴィアン・ウエストウッドの服をいちども着ないまま、美しいと他人から思われることもないまま、ずっといまのまま、このまま、いつか死ぬのだろう。と思った。