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2023年公開映画ベスト10〜オカデミー賞2023〜

「ええやんええやん♪それオモロいやん♪白人が黒人の身体乗っ取るのええやん♪それロボットアニメみたいやん♪」

「ブラムハウスにこういう社員は、います」

というわけで今年もやります!オカデミー賞2023!

これは1年間に公開された映画の中から面白かった映画を10本選び、ランキング形式で紹介するものであります。
2020年からnoteにだらだらと書いておりますので過去のものもよろしければどうぞ。

2022年

2021年

2020年


それでは早速参りましょう。
オカデミー賞2023、開幕です!


第10位『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

第10位は米国アカデミー賞でも大健闘した本作。
仕事も家庭もボロボロなミシェル・ヨーが突然マルチバースの救世主になるという話。

この映画の中では別次元で発明された戦闘術の設定が登場する。それは「ふざけた行動をすると強くなる」というもの。
このシステムが素晴らしく、絵的な面白さとカンフー映画オタクへのご褒美が両立したのである。
指の間を紙でカットするシーンすらかっこいいというカオスな世界観が楽しい。

そしてマーベルファンやジョジョラーに馴染みのある“マルチバース”設定の新たな価値を生み出しているのも画期的。
いくつもの次元を並行して見せることにより、家族愛や人類愛をたっぷりと表現する威力のあるプロットになっているのだ。
1本の映画で何人ものドラマを見れて得した気分になれた。


第9位『ノック 終末の訪問者』

M・ナイト・シャマランの新作。
キャビンでの休暇を楽しむ家族のもとに陰謀論を唱えてくる4人組が来訪してくるのだが…という話。

シャマランは色々と言われがちな監督であるが、個人的には『ヴィジット』以降のニューシャマランの映画は上質で素晴らしいと思っている。
今作もスリラー映画としての出来が良くて、拳銃のくだりはハラハラしすぎて席から立ち上がりそうだった。

何より賛否(というかほとんど否)を呼んでるオチについて、これはキャリアを積んでどんでん返しもどんでん返さずも描けるようになったシャマランだからこそどっちに転ぶか分からなくて面白いんだけどな。
ガキの戯れ、監督のカメオ出演含め最高のシャマラン映画だった。


第8位『波紋』

『かもめ食堂』などが有名な荻上直子監督の意欲作。
突然失踪する夫に奔放な息子、介護ストレスなどで新興宗教にのめり込む主婦を描いた作品。

シビアな内容なのにほっこり笑えるのが荻上直子監督らしくて凄い。
善も悪も含めて人が人に影響を与えることを波紋として可視化し、見応えがあった。

主演の筒井真理子さんが上手くて理解の範ちゅうからはみ出してしまいそうな宗教信者の考えや気持ちを汲み取ることができ、共感しながら見れる。

新興宗教の信者に平岩紙と江口のりこを用意する徹底ぶりに、『RRR』ばりのエンディングダンスパフォーマンスもハピネスだった。


第7位『エンパイア・オブ・ライト』

イギリスの海辺の映画館を舞台にオリヴィア・コールマンと黒人の若者らの交流を描くサム・メンデス監督作。

本作は舞台の映画館や街の撮影が素晴らしく、映画の世界にうっとりとする2時間を過ごすことができる。
ポスターにもなってる花火のシーンなんかエモすぎて泣いた。

オリヴィア・コールマンが癖のある魅力的なオバちゃんを演じ、その爆発まで含めて圧巻の演技だった。

あまりの美しさに学生のとき映画館でアルバイトしておけば良かったと死ぬほど後悔する羽目に。


第6位『ゴジラ-1.0』

アメリカンゴジラが大暴れしている中、求めていたまんまの山崎貴ゴジラが誕生した。

国産ゴジラらしい社会風刺にシビアなドラマ、そこに山崎貴VFXが組み込まれた最高のエンタメに仕上がっている。

淡白な『シン・ゴジラ』も良かったが、こちらは邦画ど真ん中な人間ドラマをとことん詰め込んでこの面白さなのが凄い。
作戦立案シーンかっこ良すぎる。

ゴジラの放射熱線のあとに黒い雨を降らせるのもセンセーショナルだった。


第5位『ジョン・ウィック コンセクエンス』

3時間の上映時間に(今回はじっくりドラマも見せるのかな?)と思って見たら裏切られた。
ほぼ全てアクションが詰め込まれた無限地獄なジョン・ウィックシリーズ4作目だ。

ゲストのドニー・イェンに期待してたらまさかの『ローグ・ワン』な盲目設定。
ドニーの高速パンチとグルグルパンチがジョン・ウィックで見られる幸せ。
主演キアヌじゃなきゃ食われてたね。

コンチネンタル大阪が良いネオジャパニズムで真田さんがかっけー。
『ブレット・トレイン』の変な日本にムカついてきた。

犬も車も良いし、今回は相席食堂の珠代姐さんみたいな階段登りも楽しかった。
最後はちょっと泣ける。


第4位『Pearl パール』

『X』の続編。
いや『X』の続編って何するの?!と不安だったが、蓋を開けて見ると最高のスリラー映画だった。

被害者側とおばあちゃん特殊メイクから解放されたミア・ゴスが衝撃的なアクト。
スターになるという夢を追う田舎の少女の狂気を快演し、その挙動や表情から目が離せなくなる。
例のエンディングやめて。笑

爆笑のタイトル出しとか、絶頂で鳥がバサバサ!とか、バミりが「X」になってるとか、演出がいちいち芯をくっていて楽しい。

前日譚でここまで面白いものは見たことがない。
エスターとか良くなかったので…。
流行りの映えホラーにおける最高到達点だ。


第3位『search #サーチ2』

『search2』と銘打ってるが、『search』のプロットを踏襲しているだけで特に続編ではない新作。

コンピュータ機器の画面のみで映画を作るという同じ手口で期待を上回ってくる素晴らしい脚本と演出。
今さら東京ホテイソンとかトムブラウンがM-1優勝するようなものだ。

無機質なテクノロジーにこそ人間らしい愛情が表れていて泣けちゃうんだよな。


第2位『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOLUME3』

ジェームズ・ガン降板騒動で製作されるかどうかすら不透明だったガーディアンシリーズ完結作がようやく公開。
待ちに待った分、上がりに上がってしまったハードルを悠々と飛び越える素晴らしい出来だった。

2時間半という近年では特別長くない上映時間の中で全てのキャラクターの魅力を掘り下げる巧みな構成。
全員のことを大好きになれる。

各キャラの特徴を活かした戦闘シーンに興奮するし、人類を超えた多様性のメッセージも良かった。

ガンの騒動は『スーサイドスクワッド』を生み出し、GoGもしっかりと完結してくれたのでファンとしては結果オーライだ。

第1位『市子』

結婚を申し込まれた翌日に失踪した市子という女性の過去を追い、闇と光の狭間でもがくドラマ。
洗練された面白さと強烈なメッセージが込められた傑作だった。

市子を演じる杉咲花さんが悪魔的な掴みどころのない女性の魅力と、人間の暖かみの両端を快演。
黒髪ボブヘアにした頃から気になっていたが、そのミステリアスさがついに爆発したという印象。

緊張と緩和を駆使した脚本が面白く、そのギャップにやられて終盤は号泣してしまった。

疾走するカメラワークや時間軸の操作など演出のひとつひとつが上質。

『街の上で』からそのまま登場したかのような真っ直ぐな若葉竜也さんも良くて思わず熱中してしまう。

私は人間讃歌を描く作品が大好きだが、この映画も生きる上で最も重要な映画のひとつとなった。



○おわりに

以上が個人的な年間ベスト10です。
今年も和洋折衷、シネコンからミニシアターまで通いまくれて幸せな一年でした。

来年はシアタールームのある自宅を作る予定なのでさらにサブスク作品などもどっぷりと見まくることになるでしょう。
家族に見捨てられない程度に映画鑑賞を続けていきたいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
濱口竜介の新作が公開される2024年でまたお会いしましょう。

以下に惜しくも10作から漏れたおもしろ映画を列挙してお別れとします。

エア
怪物
バービー
バッドランズ
アステロイドシティ
インディ・ジョーンズ
最後まで行く
ザ・ホエール
ノースマン
逆転のトライアングル
バビロン
ワイスピ10
ミッションインポッシブル
アントマン
マーベルズ
TAR
熊はいない
キラーズオブフラワームーン
パーフェクトデイズ
別れる決心
ちひろさん
ザ・キラー
ベネチアの亡霊
イノセンツ
君たちはどう生きるか
ナポレオン
岸部露伴
ミーガン

クリエイター
コワすぎ!
フェイブルマンズ
非常宣言
アルゼンチン1985
イニシェリン島の精霊

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