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待ちわびたベット

隣で待ちわびたみずいろの塊が
太陽を眺めていた。
僕は何も声をかけれず
青春の光の速さで時が経っていく。
寂しそうな貴方に声をかけれなかった事に
後悔して爪を噛み捨てる。
地べたに転がった爪はお祈りをして
僕の視線に入り込んでくる。
みずいろの塊が窓の外に怯えて立っている。
僕は急いでドアを開けて貴方の居る
場所に進む。
アパートの2階から軋む階段を降り
信号が赤になりそわそわして待っていた。
青になり貴方の姿は消える。
消えた残香を追いかけ
僕はみだらな方向へと進んでいく。
壊れかけのビルに辿り着いた僕は
又消えた残香を追いかけ階段を登る。
先程とは違い古いのに軋まない階段を登り
浅はかな道へと遠回りしていく。
2階のベランダにあったバットを握りしめ 
ビルの廊下を徘徊する。
ネズミ色の音がしたしなやかなギターの音が
廊下を充満して広がりだす。
1つ目のドアを開けたらギターを弾いている
少年がストラトを抱きかかえ
眠りそうにして手を動かしていた。
古びた空気が音を理解して
僕の耳に浸透してくる。
少年の後ろの窓から映る僕の顔は
血まみれで目の中は充血していた。
優しい音色に浮かばれない僕は
音を抱き枕にしてすやすやと眠る。


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