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消費者の感性の変化に気付こう

【大阪のデパ地下に立ち寄ったときに感じたこと】
1フロアに50店舗以上の店がひしめき合い、全ての店のショーケースに、大量にスィーツが陳列されていました。午後4時過ぎのことです。

そのほとんどが、1つ1000円近くというプライス付けられていて、少々アッパーな価格帯のデザートです。1つ2000円するモンブランもありました。
見た目は、確かに美味しそうで、魅力的に見えます。

ただ、午後8時の閉店までに、全ての店で、全ての商品が売れるのか?と、疑問に思いました。

元コンビニ経営者が語るのもなんですが、素直に「もったいない…」と思いますし、注目されている「フードロス削減」の取り組みに逆行しているように映りました。

私がセブンイレブンを経営していた頃は、欠品は「悪」と言われ、そうならないように、始めから「廃棄ありき」で商品を発注していましたので、販売期限が切れた商品は、全てゴミ箱行きでした。

そういうことを、毎日続けていると、だんだんマヒして、食品を捨てることへの罪悪感が無くなってしまいます。

利益が出ているから、余ったものを捨てても問題ないという「古い」業界の常識は、早く改めた方がよいと私は考えます。

自宅の近所にある極上の品を販売する超人気の「ベーカリー」「スィーツ専門店」は、どちらも商品が売り切れたら、それで閉店です。早いときにはPM3時にお店を閉めているときもあります。おそらくですが、それでも充分、利益は出ているはずです。

また、働く人にとっても、閉店後に、自由に好きなことができます。店主であれば、その時間に次の策を練ったり、新商品の開発に充てることができるでしょう。

利益を出すために、欠品をさせないように廃棄ありきで商品を並べる… 無理をして長時間店を開け続ける… それらについて、本気で、「やり方」を変える必要がある、と今日のデパ地下の売場を見て感じました。

※ 上記をFacebookで投稿したところ、「売れ残った商品は翌日も店頭に並べて継続して販売する」との情報を頂きました。

廃棄を無くすということにおいては、それでいいのかとは思いますが、確実に味が落ちている商品を1000円近くの価格で販売しているわけです。

そして、お客は、前日に作ったものと知らずに買っている…

やはり、オペレーションを変えた方が、お客様、店、働く人、環境全てにおいて良い方向に向かうのです。そのためには、「商品発注」「製造」の仕組みを変える。「品切れありき」のスタイルに変えて、それを逆手にとって、商品価値を高める。新たな取り組みについてメディアを活用して伝えていくということになります。

まずは、閉店間際になって、ショーケースに大量に商品が並べられている状態を見て、「おかしい」と思うお客が増えていることに事業者は早く気づくことが必要です。

消費者の感性は日々、変化しているのです。

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