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グローカルに生きる⓪‐ビジョンの実現のための2つのベクトル

○新年に見た象徴的な夢


 新年に象徴的な夢を見た。
 鷲の両足をつかみながら今の場を超えて高く、そして広い場へ飛んでいく。その風の感じや高くを飛ぶこわさも感じながら力強く飛んでいく、そんな夢だった。
 そして、この数日前も夢を見た。
 以前の師に自らの道をいくことを告げ、離れた先に自身の中の潜在的な部分が開いていく感覚をうけた。そして、夢の最後に次の研究(博士後期課程)を通じて見出していくゴール(全体像)を見せられた。
 
 夢自身はかなり広い示唆をくれていても、それを解釈する自分自身がそれを狭くとらえてしまうことがある。新年の夢も当初は4月から行く博士後期の中で富田地区のみならず他地区の事例研究にも広げていくという狭い解釈でとらえていた。
 
 そんな中、先日、この3年間休眠預金事業を通して本当にお世話になってきた、むすびえさんの研修があった。その場は自分にとっても当初から意味深いものになる感覚を受けていて実際にそうだった。そこでいま出せるものを最大限出し切り、その後、自分の中で新たな“なにか”が開いた感覚を受けていた。

○ビジョンの実現のための2つのベクトル


 その数日後、兵庫県の朝来市での講演の機会をいただき、車でひとり運転しながら内省を深めていた。
 音楽を聴きながらひとり運転をして“ゾーン”に入ったとき降りてきた言葉があった。

その夢の意味はもっと深い。二つのベクトルで広げかつ深めていくもの。
 そのベクトルの方向性の一方は富田というエリアだけにとどまらずマイノリティの地全体が培ってきたものを再評価し部族全体へと還していく道。
 もう一方は広く全国を視野に社会全体に働きかけをしていく道。
 次のビジョンを具体化する方向性はこの双方向から生み出す。

 前者のための具体的な方法はすでに見え始めている。しかしながら、後者は見えていなかった。とりわけ後者は社会全体やソーシャルセクター、学術分野の多くが悪気なく見落としているものをあなた自身がマイノリティの地で生まれ生きてきたからこそ学んできたものを活かし、様々なアプローチから伝えるもの。そして、彼ら彼女たちがその視点を持って様々な場にかかわることを促すことによって、社会変化を生み出す場や人が結果として様々なマイノリティの人たちをも包摂する場を生み出すことに寄与する道。その場が目指そうとすることも“包摂性”の部分で共通する。ただ、社会全体や学術分野、ソーシャルセクターの多くがそうであるように世の中の構造そのものがマイノリティの存在を周縁化、不可視化させている部分が多分にある。
 それはあなたが、多忙な中でも4月から新たにもう一つの大学で授業を持つことを選択した意味ともつながるでしょう。
 社会構造や仕組みをつくる側(制度設計や制度に影響を及ぼす人、変化を生み出す人)へ働きかけをしていくことでより多くの当事者の包摂に寄与しようとする道です。

 忘れてはいけません、いつもビジョンをあなた自身の自己認識や周りからの期待に沿うことによって矮小化してはいけない、以前に夢で伝えたようにあなたの役割はワイドレンジガイドです。

 ビジョンの実現のため組織をまとうことで実現化できるものはそのようにして実現し、組織をまとうことが足かせになるのだとすれば、“個人”の領域で1点突破し突き抜けてしまえばいい。突き抜けて穴ができればそれを必要とする人が自ずと周りに集まってくる。

より深く、そして、より高く。
グローカルにもっと広い環境に身を置き、全体をとらえ、それぞれに還しなさい。
 ビジョンの拡張の時です。

 
 そんな言葉だった。
 ちょうど先日、大阪のディープなエリアで長年活動してこられた方からのお誘いがあり、一方で全国の支援を進めていく団体の研修を終えて、その場それぞれに何が還せるのかを深めているときに降りてきた言葉だった。
 いつも思うけれど、必然の中で絶妙なめぐりあわせがある。そこには感謝しかない。
 
 ちょうど昨日、3年間の節目となる休眠預金事業の学識者の評価会、夕方には富田地区の多セクター共創プロジェクトがあり、多分野の方々にこの3年間の報告をし事業に対する評価をいただいた。そう一区切りを迎えた。
 これから、組織(WAKWAK)では予算、事業計画として、研究では関大の研究員、阪大の博士後期課程院生として、大学の非常勤講師では授業として、そこではできないものは個人として改めてビジョンを日常に実現化のためのあり方を整理しカタチにしていく。

 この数年を振り返れば、個人のビジョンと法人(WAKWAK)のビジョンはほぼ重なっていた。
 ただ、これからは「地域支援の持続可能性」をキーワードに法人に身を置きながらも現場は次世代へと移行し、一方で自分は「全体の一助」となるために次のチャレンジとして個人の領域を開いていく。

 より高みへ。
 




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