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実践研究者の道⑦‐博論のプロセスを通して

 昨日(12月22日)は地元富田ふれあい文化センターで開かれた講演(「みんなの居場所づくり」講師:藤本真帆さん〈公益財団法人住吉隣保事業推進協会〉)へ。(本人に掲載の許可を得ています。)
 前半は住吉の歴史の話、後半は藤本さんのストーリー(自身の体験談)。実は彼女はこの数年、それぞれの地域を超えて社会起業として動く人たちの集まりなどでつながってきたメンバー。
 歴史や活動の話では、住吉独自のカラーと差別の実態や運動全体によって培われたもの(=富田との共通点、以下備忘録)が見え、彼女自身のストーリーは心にぐっと響くものがあった。なによりルーツを語る姿が素敵だった。
 地域で中心的なひとりとして活動する彼女やその後ろにその先輩(同じくこの間つながってきたTさん)、さらにはその後ろに大先輩(重鎮!?)の姿が映る中で、この間得たメッセージ「各地のジェネラルやダンサーたちが踊る会場(活動家たちがまちづくりや様々な活動を行う地)へと訪れ、その地が長い年月をかけて培ってきたストーリーを学び、その地でダンスする(活動する)彼ら彼女たちの活躍を見、その願い、創り出すものを観察し、学び、言葉や物語として紡いでいく。」と重なっていることを感じた。そして、博論を通して自分自身が何をしたいと思っているのか、それを教えてもらった。

 自分自身が博論を通してしたいことは、マイノリティの地(被差別部落の地)が長い年月を通して教育・まちづくりの実践から培ってきたものの“価値”を再評価すること。(エッセンスはたくさん散らばっているにもかかわらずほとんど言語化されていない、先行研究も圧倒的に少ない。)
 そこで得られる知見やインプリケーションはマイノリティの地のみならず現在の全国の社会課題の解決の一助にもなりうると確信している
 そして、この再評価のプロセスはマイノリティの人たちを勇気づけるものであること。そんなことをこの間の実践や研究、メディア放送などをとおして学んできた。また、自身はこのプロセスを通して独自のやり方、独創的に100年という長い年月を培ってきた灯の次の方向性の一つを示すことができればと願っている

 修士論文はそれを自分の地元かつアクションリサーチという自己内省スタイルで振り返り、言語化してきた。
 
 次の山は延長線上にあるものの枠組みを何段も変える必要がある。研究者のみなさんに一様に言われた言葉「修論と博論は登る山そのものが違う。

 博論は、今回の講演のように他地域との事例比較さらには海外研究における枠組みを整理する。また、自己内省スタイルに加えて、他地域、多様なアクターからのインタビューやアンケート調査等をもとにより多様な視点からまとめていく。そこから得られるものはまだ未知。これからその道に入っていくことで見えてくるんだろうと思う。

 非日常から得られる言葉はいつも日常とリンクしていて、日常と非日常の行き来をしながら自らに託されたミッションをもとに「全体の一助」になっていく。

 必然のめぐりあわせに感謝して

(備忘録‐研究メモ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇被差別部落における実践の共通点(事例比較の際に)
・長年の地縁型⇔NPOにおけるテーマ型を融合してまちづくりをしている。(全国では、地縁型、テーマ型はそれぞれが組織として分かれていることが多い。特徴の一つ)
・ケース会議→学校と地域の連携によるしんどい子、家庭を見捨てない連携(伝統〈池田ほか〉、根づいた文化、公正文化〈志水〉)
・現在の実践は実践を支える組織運営(実践の運営+経営)も同時に行っている。(事業法下の直営における実践→社会的起業における実践、メリットとデメリット。
・時の政権によってつぶされようとしてもサバイブする力〈レジリエンス〉。)はなぜゆえに生まれたのか?
・実践と政策提言(区長への働きかけ)→解放運動⇔コミュニティ・オーガナイジング(汎用性の追求)
・地域住民を支えるハブとなる拠点(組織)やキーマンの必要性
・キーマンが外の世界とつながり、世界を知っていること(地域の良さと課題の両面に気づける、外の風をつかみ多様な視点を持った事業展開ができる。)→博論:各地のキーマンへのインタビュー
・少数精鋭、キーマンの“個として”のポテンシャル(育てられたもの、自ら培ってきたもの・・・)と所属する枠組み。(従来の既存の枠内だけでポテンシャルを活かしきるのは難しい→個人としてビジョンを叶える鉢の開拓が必要→様々なロールモデル像につながる。) ※従来型の方針をおろし、従うという組織体では生まれえない→そんな多様なあり方を受け止められる“ネットワーク”が必要。
・事例比較の地域の選定とご依頼(北芝、住吉、A?、Nなど)→成功要因の明確化と他地域への一助に

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