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「実践と研究の往還という道」

 明日から事務所の業務(実践)も年始でリスタート
 今日は博論構想の合間にスイミングに。この間、ランニングから水泳に切り替えたけれど運動は思考がクリアになり、前に進む推進力をくれる。

 新しい年の始まりに、あらためて実践と研究の往還を通して目指すものがクリアになった。

〇博士前期課程を通して


 これまでの博士前期課程(修士課程)のプロセスを通して見えたのは、マイノリティ発の実践および研究の少なさ、特に社会的起業実践と研究の少なさであり、だからこそ、微力ながらもその実践と研究の両方を前進させることがモチベーションとしてあった。
 特に新型コロナ禍、社会的不利を抱える層により一層の不利がかかる中で法人経営者として市域に実践を広げるというかなりチャレンジングな決断をし、多様な人たち、団体の皆さんの力をお借りして今ここで目の前に支援を必要とする人に実際に支援を進めること。
 並行して、研究を通してそこから得られた知見やインプリケーションをあきらかにし、各地のマイノリティの地や全国各地、他地域の課題解決の一助となること。
 そうして実践と研究の双方から社会変化を前進させることが成し遂げたいことだった。
 「マイノリティの地が長年培ってきたもの」×「今の社会課題への汎用」のプロセスを通してマイノリティの地が長年培ってきた実践の価値を再評価すること(マイノリティ発の実践を実践、研究双方ともにフロントランナーに押し上げる)が自らを動かす原動力としてある。
 また、そこにはマイノリティの地を底上げするという狭い範囲にとどまらず、汎用を通して全国各地の課題解決の一助とし社会変化を前進するというモチベーションがある。

〇次に目指す山


 次にめざすものもその延長線上にある。
 いま、日本全国、各地を見れば隣保館は1000館が800館に減少の一途をたどり、高齢となった活動家の引退が地域の拠点や社会運動の喪失につながっている(いく)状況にあり、今後それは加速する。

 次の方向性を見出せなければ「100年という長い年月を培ってきた灯」は消えかかっていく。

 その中で、政治状況の激変があった大阪においてその危機意識をもとに社会福祉法人や社会的起業、民設置民営の隣保館の動きなどを行ってきた地域はあるものの、全体から見ればまだまだ一部。関係者のなかにその現状認識と危機意識はそれほど生まれていないと感じている。それは長年の対策事業が生み出した組織の思考停止、危機意識の喪失といった負の財産。

 次に目指す山は、実践と研究の往還を通してさらに高い山に登り、微力ながら独創的に一石を投じたい。

 「実践」ではこの数年、「これまでの地域支援のあり方」から切り替えていくために一身にグリップをたぐり寄せ、握ってきたものを握るべき責任は負いつつも、渡せるものは時間をかけて次世代へと移行・分担して組織基盤の強化と成長、持続可能性を探っていく。

 「研究」では、博論を通して、海外研究や先進他地域との事例検討も含め、より多様な視点、研究方法から知見をあきらかにすることで全国の課題解決の一助としていく。そして、自身もその過程で学び、課程を通過していくことで「実践研究者」として「全体の一助」となる役割へと移行することをめざす。

 水泳(運動)を通してこの間、研究にウェイトがぐっと傾いていた自分を実践にも戻してくれ、改めて自分が実践と研究の往還を通して目指すものがクリアになった。

 今年は実践と研究のバランスをどうもつかがキー。
 実践優先となり研究が後回しにならないよう研究時間、執筆時間の確保をすること。
 実践においては法人経営者としてグリップの握り方と次世代への移行や分担がキーワードとなっていく。

 明日から実践と研究の往還のリスタート。

 この間の能登地震で身近な人たちが支援活動に動いてくれている。
自分は自分の持ち場でできることを。
 


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