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創作欲:おかの場合

食欲、性欲、睡眠欲と同じかそれ以上に自分には創作欲というものがあるのだということが最近わかった。繁忙期のせいで何もクリエイティブなことをする時間がないことで、気づいた。この渇きはなんだろうと思っていた。爆食してもエロ漫画を読んでも全く満たされないこの欲求の正体は、創作欲だった。
たぶんこの創作欲は誰にでもある。なのに社会に出ると誰もそんな欲求持ってないって顔しているし、そんな欲求を持ってることがバレるのはとても恥ずかしい。
「うみべのストーブ」という短編集の漫画を読んだ。「この漫画がすごい2024」のオンナ編で1位だったので知った。とにかくよくできた素晴らしい作品だった。本当にすごかった。
この短編集の中でやはり一番くらってしまったのは「海の底から」だった。
主人公の女性は、元々小説を書くのが好きだったけど、社会人になり仕事に忙しく、創作する時間も体力もなく、さらには恋人とも幸せな日々を過ごしているため、どうしてもこれをを書きたいという活力のようなものも湧いてこなくなっている状態。なのに、創作欲だけはあるため苦しんでいる。感性がどんどんなくなっていく自分に怯えている。
あまりにも今の自分にこの話はささり過ぎてしまった。そして何かを作るのが好きで、でもそんなことをする余裕がない人ならみんな刺さると思う。
そしてこの漫画が素敵なのは「大丈夫。君の感性は死なないよ」と、そんな野暮はセリフは使わずに伝えてくれること。
今は自分の中の創作欲を満たすことはできない。でも感性は死なない。大丈夫。
繁忙期ももうすぐ終わる。繁忙期が終わったところですぐにこの創作欲を満たせるような時間の余裕もそんなにはないだろう。
でもいつか。でもいつか創作欲を満たせる。海の底から出て呼吸ができる。
そう信じてる。

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