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というか人生は文化祭なので

”人生は文化祭かもしれない”

転職活動を進める中でそう思いあたった。

なんのアイディアもないところからみんなでワイワイ意見をまとめて、
「全然うまくいかんやんけ!」って試行錯誤して、
最終的には「みんなで頑張ってよかったなあ」と労いあう。

あの感じはすごくいい。

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高校1年生の文化祭、自分たちのクラスは入場門を担当することになった。
準備期間は約2週間(だったと思う)。

名ばかりの文武両道を掲げていた母校では、
夏休み明けの8月中旬から9月前半にかけて文化祭/体育祭を敢行する。
どう考えても文武両道ではない。”文”が”武”を圧迫していた。
(そもそも”文”以外を全て”武”と一括りにしているのはいかがなものか)

たったの2週間で、授業と平行しながら体育祭と文化祭の準備を進める。

わけがわからない。でももっとわけがわからないことに、
自分はどうしても羅生門が作りたかった。

みんなをどう説得したかは覚えていない。
しかし気づけば我々のクラスは羅生門の建設に着手していた。

手分けして買い出しを行い、見よう見まねで木材を加工し
それっぽい朱色を塗りたくった。
安全への配慮から瓦の使用は取りやめ、ペットボトルを半分に切って並べた。

当時の写真は残っておらず、記憶は美化されているのであてにならないが
文化祭当日にはそこそこ立派な羅生門が出来上がった...と思う。

かなり不安的な構造をしていたため、なんと開場から2時間で崩壊してしまったが
今でもその思い出は崩壊せずに残っている。

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仕事をするにしても、自分が求めているのはあのワクワクだ!と思った。

「あの人は絵を描くのが得意だから看板のイラストを任せよう」
「ここの細かい作業は手先の器用なあの人に任せよう」
「みんなが疲れてきたら、盛り上げ役のあの人に雰囲気を高めてもらおう」

完成形とそこへ向かうための手段を整理して、それを"任すべき人"に任せるのも得意だと思った。
そういうわけで志望企業の軸は「あまり整っていないこと」「チーム/組織づくりにまわれること」になった。(もっと細かいのもあるけど)

そして頼れるエージェントと一緒に作戦を練り、何社か面接を受けるうちに
「ここだ!」と思える企業に出会うことができた。
4回の面接で出会った4人の方すべてが、未完成を楽しんでいる様子が印象的だった。

(2022.01追記)
とてもいい会社だったが、すぐに辞めてしまった。
今思えば組織のフェーズとしては確かに「ここだ!」だったが、
逆にいうとそれ以外は自分の求めている方向性とは違った。
会社都合退職からの転職活動ということで焦ってしまったと反省している。


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転職活動が終わって少し増えた自由な時間で、
これからの人生についても考えてみた。

『もし会社に所属しないとしたら、どんな人生を送りたいだろう?』

大前提、自分は次の会社で働くことを楽しみにしている。
だけど「死ぬまでそこで働くか?」と聞かれたら
呆れるほどよく通る声で「そんなことないっすね!」と答える。

だとしたら自分は誰と、何をして生きていくのだろう?

するとやはり、脳裏には文化祭の記憶が蘇ってくる。
そして気づいた。『そうか、人生も文化祭みたいなもんやわ』。

”文化祭みたいな人生”ではない。

"人生と文化祭はほぼイコール"だということに気づいた。
限られた納期(2週間よりははるかに長いけど)でやりたいことを決めて
誰とどのように関わっていくかも決めて

なんとなく完成したかな?と思ったくらいで死ぬ。

高校の文化祭と違いがあるとしたら、
それは”クラスのメンバーを自分で選べること”だと思う。

「何をやるか?」という観点でこれまで関わってきた人を思い返すと
そんなに広く交流してきたつもりのない自分でも

カフェとかできそうな人、webサービスを一緒にやれそうな人、
法律事務所を設立できそうな人、動画編集を任せられそうな人、
学校とか作れそうな人、マンゴーの栽培に意欲的な人...

いろんな人と組める可能性があるとわかった。

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まずは本業で成果を発揮したいという考えがあるから
すぐに何かをするということはない、と思う。

だけどこの考えを持っておくことで

”どんな人と出会いたいか”

というアンテナを張ることができる。
然るべき交流を重ねておけば、いざという時にすぐ声をかけることができる。
そんなひらめきがあり、突発的に文章を散らかしてみた。
そういえば引っ越しを控えたこの部屋もとっ散らかっている。

「引っ越し及び片付け作業が得意な人と知り合いてえな」

そんな人はすぐには見つからない。
アンテナの設置は、お早めに。

※ちなみに見出し画像は文化祭とか一切関係ない。自分が撮った写真の中で結構お気に入りのやつなんでみんな見てくれ、という気持ちで設定した。

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