見出し画像

㉘オープンする

 よく「大胆なのか気が小さいのか分からない」と言われてきましたが、私だけでなくどんなひとにも相反する性質が共存してると思います。大胆さが眠ってるときは心配性です。ペチペチとホッペをたたいて起こしてやると目を覚まし、心配性は眠ります。オープン初日に関しては心配性がずっと目玉を開いて起きていたので「ひっそりオープンしよう…」と思っていました。日付すら言いたくないほどでしたが覚悟を決めて窓に小さくプレオープンの日を書きました。開店の前日になっても紙コップを買いに行ったりタルトの型を買い足したり(なんと前日まで1台しか持っていなかった)紙袋にシールを貼ったりコーヒーのサーバーを割ってしまってホウキとチリトリを買いに行ったりと、大変な騒ぎでございました。「いたばしタイムス」という板橋区民に人気のサイトがあります。開店前にインタビューを受けていた記事の公開日がオープンの前日でした。そのおかげもありプレオープンは2日とも店の外に行列が角を曲がるとこまでできていたそうです。忙しすぎて見る余裕はありませんでした。妹夫婦と甥っ子が手伝いにきてくれました。とてもひとりでは無理だったと思います。自分は直前まで心配していても窓を開けてしまえば堂々とやることは分かっていました。すべてのお菓子をせいいっぱいまじめに作ったので動じる必要はなかったです。自ら売り歩いていたオカメサブレを、お客さまの方から買いに来てくれると言うだけでもそうとうな転回が起きたといえますが、並んでまで買い求めていただけたということはとてもうれしいスタートでした。タルトやパウンドケーキも完売でした。いちばんに並んでくださっていたお客さまに「応援してます」と言われました。今でもよく通ってくれていて雪の日に来てくださったこともあります。お店ができたことでオカメサブレを知ってくれた人たちがたくさんいて、その人たちの心の中の町の地図にキビズベイクショップの小さな店もできたのかなと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?