コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖20「洗面所と排水パイプ」
さて、多くの人が誤解している「洗面所と排水管」の秘密を解説するよ。
その前に、前回を未読の方はコチラ!
大天使ガブリエルことオードリーには参ったな。まさかあの「手」に重要な意味があったとは…
何度も言うように、天才芸術家は無意味なことはしない。この当時のコーエン兄弟は本当にキレッキレだよね。
さて、問題の「洗面所の排水管」だ。
多くの人はコレを「女性の生殖器官」と結びつけている。
でもまあ仕方ないかな。
実際コーエン兄弟も「そうとれる」ように見せてるし、映画で最初に「排水管」という言葉が出て来たのも、「619号室」でエッチしまくってるカップルに関しての会話の中だった。
あのタイミングで、あんな風に意味有り気に「どアップ」で映されたら、そうとしか考えられへんやろ。
中二やのうても、そう思うわ。
しかも「喘ぎ声」と共にカメラが穴の中へドンドン入っていくっちゅう描写やで。
これがアレとちゃうんやったら、いったい何なんや?
どう考えても「熱烈合体」のイメージやろ!
まあ確かに、完全に「そうじゃない」とも言えない。
あの穴は「昇天の入り口」なのだから…
へ!?
この映画における「排水管」とは「天国につながる道」を意味してるんだよ。
地上に降下したり、昇天したりするための道だ。
つまり、フラ・アンジェリコの『受胎告知』における、帯状の「光の道」のことだね…
わお!
神様が「手」を洗ってるみたい(笑)
ホンマや。
せやけど、あんなとこに画像をひっつけたから、そう見えるだけやろ。
いや、偶然じゃないと思うよ。
たぶんコーエン兄弟もそれを意識して、映画の中で「洗面所」のシーンを何度も使ったに違いない。
このフラ・アンジェリコ『受胎告知』に描かれる「神の手」に着想を得て、物語が構想されていたわけだ。
しかも、よく注意して見てみると、ヒントが書かれているんだよね…
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