コーエン兄弟バートンフィンク20-1

コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖20「洗面所と排水パイプ」

さて、多くの人が誤解している「洗面所と排水管」の秘密を解説するよ。

その前に、前回を未読の方はコチラ!

第19回「天使の誘惑」

大天使ガブリエルことオードリーには参ったな。まさかあの「手」に重要な意味があったとは…

何度も言うように、天才芸術家は無意味なことはしない。この当時のコーエン兄弟は本当にキレッキレだよね。

さて、問題の「洗面所の排水管」だ。

多くの人はコレを「女性の生殖器官」と結びつけている。

でもまあ仕方ないかな。

実際コーエン兄弟も「そうとれる」ように見せてるし、映画で最初に「排水管」という言葉が出て来たのも、「619号室」でエッチしまくってるカップルに関しての会話の中だった。

あのタイミングで、あんな風に意味有り気に「どアップ」で映されたら、そうとしか考えられへんやろ。

中二やのうても、そう思うわ。

しかも「喘ぎ声」と共にカメラが穴の中へドンドン入っていくっちゅう描写やで。

これがアレとちゃうんやったら、いったい何なんや?

どう考えても「熱烈合体」のイメージやろ!

まあ確かに、完全に「そうじゃない」とも言えない。

あの穴は「昇天の入り口」なのだから…

へ!?

この映画における「排水管」とは「天国につながる道」を意味してるんだよ。

地上に降下したり、昇天したりするための道だ。

つまり、フラ・アンジェリコの『受胎告知』における、帯状の「光の道」のことだね…

わお!

神様が「手」を洗ってるみたい(笑)

ホンマや。

せやけど、あんなとこに画像をひっつけたから、そう見えるだけやろ。

いや、偶然じゃないと思うよ。

たぶんコーエン兄弟もそれを意識して、映画の中で「洗面所」のシーンを何度も使ったに違いない。

このフラ・アンジェリコ『受胎告知』に描かれる「神の手」に着想を得て、物語が構想されていたわけだ。

しかも、よく注意して見てみると、ヒントが書かれているんだよね…

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