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③初めての彼氏?
Aさんとの初体験後、初めての出勤日の月曜日。
どんな顔をして会えばいいのか、ドキドキしながら出社したがAさんは1週間の出張に出ていた。
ほっとした様な、残念なような。
そしてこの時は年末。
もう年始の休み明けしか会えないのではないか
そしてそのまま何事もなかったようになるのではないか
そんな思いを抱えながら、Aさんのいないオフィスで私は静かに業務をこなした。
そして水曜日の夜。
私の携帯が鳴った。
メールだった。
名前は表示されない、アドレスのみ。
「今から電話してもいい?」
Aさんからだった。
私はすぐに『大丈夫です』と返信し
すぐに着信が入った。
関係を持つ前は、Aさんとどんな風に話していただろうか緊張でしゃべれるか心配だったが
そんな私の心配をよそにAさんはいつも通りだった。
日曜日に急に上司に出張を頼まれ大変だったこと
年末年始休みギリギリまでこっちには帰れないかもしれないこと
出張先のおいしかったものなど他愛もない話をした
1時間は話しただろうか、Aさんから驚く言葉が出てきた。
「澪ちゃん、12/24は空いてる?」
12月24日といえば、クリスマスイブだ。
婚約者の彼女と過ごすとばかり思っていたのに
年末年始が明けるまで会えないと思っていたのに
Aさんからのまさかのお誘いだった。
そして24日は金曜日と
お泊りには絶好の日だった。
私は喜んでAさんの誘いのOKした。
婚約者の彼女に勝った気持ちでいたのだ。
ささやかな優越感と、好きな人と過ごす初めてのクリスマスイブ。
毎日指折り数えながら24日を待った。
そして12月24日 クリスマスイブ当日
仕事帰りに、Aさんが出張から帰ってくる駅で待ち合わせをし
Aさんが予約してくれたレストランで食事をした
そして、お土産兼クリスマスプレゼントと
ブランド物のおしゃれなストラップを貰った。
まさか貰えると思っておらず、私は何も用意していなかった。
Aさんは気にしないでといったが、何かお返しがしたいといったら
「じゃあ、バレンタインデーに一緒にご飯に行こう」
とAさんは言った。
バレンタインデーも、会ってくれるのか。
もう私は有頂天も有頂天。
レストランの後は、イルミネーションを見ながら
ホテルへ向かった。
19歳の恋愛経験ゼロの女が
Aさんにどっぷり惚れ込むには充分なシチュエーションだった。
ホテルの、エレベーターから抱きしめられ
部屋に入るなりキスをされ、絡み合うようにベッドへ押し倒された。
その日は朝まで5回もした。
AさんはとにかくSEXが上手で好きだった。
失神とまではいかないが、まだ行為に慣れていない私は、一度するだけで疲れて眠くなってしまっていて最後は意識半分の中、Aさんに後ろから突かれていた。
そして朝までAさんの腕枕で眠り、年末年始は実家に帰省するということで別れた。
年末年始に連絡はなく、しかし私も家族や友人との予定が入っており、特に気にすることも無く過ごした。
年末年始が終わったあとも、私たちは会い続けた。
新年会、バレンタイン、ホワイトデー
恋人が経験するイベントに、Aさんは毎回私を誘ってくれた。
そして、この頃から私が男友達と遊んだり
街でナンパされる事に酷く嫉妬してた。
「澪ちゃんを、他の男に取られたくないな」
今思えば、何を言っているんだこのクズ男は
となるが当時の私はもう独占欲にキュンキュンしていた。
『他の男の人と遊んだりしないよ
だって、私ってAさんの彼女でしょ?』
婚約者の彼女の存在を忘れたわけでは無い。
しかし、もう私はすっかりAさんと恋人気分でいた。
そんな私の言葉に、Aさんは少し驚いていたが
「そうだよ、澪ちゃんは俺の彼女なんだから他の男と遊んじゃダメだからね」
そう言って私をぎゅっと抱きしめた。
本当にクズ男である
しかし当日お花畑な私はもうこの言葉だけで幸せで、毎日Aさんの事ばかり考えていた。
この後に起きる事を、この時はまだ知る由もなく。
初めての彼氏(?)に浮かれた日々を過ごすのでした。
つづく
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