見出し画像

重なり合った偶然の末に天職と出会う27

準備(製図)続き

製図は売り場のすべてを書き込みます。まずは販売台や実演台(大きさは様々あります)、実演の際に必要なガスコンロ(コンロの口数なども記入、流し台(1層2層や蛇口の口数なども記入)、間仕切りのパネル、持ち込み什器の図面、通路の幅も規定通りの通路幅を確保しつつ、出展者様のブースを次々と記入していきます。製図作業は非常に時間もかかりますが最も重要で、出来上がった図面でその後の設営までのすべての業務、すべての工事関係者、保健所、消防署などへの届け出が実施されます。
手書きで完成した図面は施工業者さんにお渡ししプロによる製図機で書いた図面に落とし込んで貰い、その図面に基づいて什器の準備、その他の手配が進んでいきます。

物産展会場イメージ

スタジオ撮影

先にもご案内しましたが物産展の通販カタログと同様に実際の開催を告知するためのチラシ印刷も始まって参ります。スタジオをあらかじめ予約しその日程に合わせて出展者さんから写真撮り用の見本を送ってもらいます。
生ものからお菓子類、農産物など様々ですが送っていただいたものを「美味しそうに」撮影してくれるのはプロのカメラマンさんです。その為にほぼ1日張り付いて次々と商品の撮影は続き、サンプルを入れ替えたり、商品がよく見えるような器を用意したり、付け添えの野菜やヒバ(生鮮食品などの撮影の際に商品の下に引く葉の付いた枝)を用意したり、結構走り回ることになります。

スタジオイメージ
ヒバイメージ

各種届出

 保健所:食品関係の実演販売(売り場で焼いたり、ゆでたり実際の調理を目の前で実演するコーナー)や茶店(ラーメン、お寿司の様にその場で座って食べられるようになっている臨時のレストラン)などを作る場合必ず保健所に申請が必要です。(飲食店営業、喫茶店営業、乳類製造業など現在は少し許可の申請名称などが変わっています)
 申請後許可が下りたら営業が可能です。必ず初日に立ち入り検査に来られます。
 消防署:ガスコンロなど火器を使用するため消防署にも届け出が必要です。
 消防署も百貨店の保安課立ち合いの元初日に立ち入り検査に来られます。
 税務署:酒類の販売を行う場合臨時の期限付酒類小売業免許の届出が必要になります。同時に販売期間終了後税務署に酒類の販売数量等の報告が必須になります。

食品関係の主なものです。それ以外にも様々な報告や許可申請が必要な場合もあります。

役所イメージ

プライスカードおよび吊りビラの作成

 プライスカードは文字通りプライスカード(値札)です。ただ、昭和63年当時はパソコンも無かったのですべて手書きでした。すべての出展者様の商品を手書きで作成するため、通常の食品売り場のそれぞれの売り場に事前に頼んで商品リストを渡し、プライスカード書きを応援してもらいます。
 物産展ではプライスカードとは別に上から吊り下げる吊りビラと言うものが使われます。最近あまり見ませんが、特に売りたいもの目立たせたいものは吊りビラを貼り出すと非常に目立ちます。ただパソコンのない時代百貨店には「筆耕さん」と言って普段は熨斗などを書いてくれる方々が、全て筆で手書きして作成してくれます。
これらのものは今どきはすべてパソコンで作成されているものです。

手書き吊りビライメージ

北海道物産展のはなし 次回に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?