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きもの1年

 2022年9月19日、初めて自分できものを着ました。敬老の日の3連休に実家でもらってきたウールの着物が始まりでした。あれから1年です。夏は暑すぎてあんまり着なかったとはいえ、1年続けるとは自分でも思っていませんでした。1年続けた記念の意味もこめて、私オカゴロのきもの生活についてまとめてみようと思います。

 きっかけは、きものがカラダにいいらしい、と聞いたことでした。
 その前から草履を履いたり巻きスカートを着たり、服装に少し和のものを取り入れてはいたのだけど、きもの自体には全然興味がなかった。でも草履に巻きスカートまできたら、きものを着てどんな感覚になるのか体験してみたい。カラダにいいという話も聞くし。洋服でもおしゃれ心はあんまり持たない私。ファッションよりもカラダへの興味から始めたきものだったのです。

これを書いた次の日くらいに、実家に着物をもらいに行きました。

 さっそく実家に行ってきものをもらう。20歳のお正月に着せてもらった絣の着物と、見たことも着たこともないウールの着物。どちらも祖母が母に縫ってくれたものだそうです。祖母はもう亡くなりましたが、私はおばあちゃん子だったので、おばあちゃんの作った着物ときくと感慨深いものがあります。
 私はピンクが好きなので、ウールのほうを先に着ることにしました。本を見ながら苦労して着ました。

初めて自力で着た姿。帯を締める元気がなくて風呂敷を巻いてます。

 下着はテニス用のアンダーシャツだし、帯は風呂敷でした。とにかく手順がよく分からないし、ヒモの締め方も位置やきつさの加減も分からない。合っているのかいないのか、判断つかないまま、とりあえずどうにか着物だけ着たところで力尽きました。
 今見ると全然キレイに着られてないですが、この時は嬉しかった!
「やった~着れた〜!」
 それまでは、着物は着せてもらうものでした。成人式で振り袖、卒業式で袴を着ましたが、早朝から美容室に行って着付けてもらいました。お祭りの浴衣も親に着せてもらい、脱いだ後たたむのもやってもらっていました。自分で着られる人は、着付け教室に通った人や茶道をたしなむ人など特別な人だと思っていたから、下手ながら自力で着ることができて我ながらすごいと思ったのです。
 この写真をLINEで母に送ったら、いいねと返事がきました。それがまた嬉しくて。単純ですが、また着てみようという気になりました。

 それで気がつけば毎日毎日、着物練習と称してきものを着ました。ピシッとキレイに着るのは難しかったけど、帯を締めたらよりそれっぽくなってまた楽しくなりました。帯は1本しかもらわなかったので、通販やリサイクルショップで買い足しました。
 着るだけでなく、小物を作るのも面白かった。伊達締めや襦袢代わりのシャツは元々好きで集めていた手ぬぐいで作りました。カット生地を買ってきて、芯のない帯も縫いました。手ぬぐいは半衿にもなるというので、持っている手ぬぐいやバンダナで遊んだりしました。
 夏には着物本体まで縫ってしまいました。「きもの読本」という本に載っていた「一番簡単に作るきもの」を見て真似したのです。カット生地をつないで作ったなんちゃって着物ですが、簡単というだけあって、時間はかかったもののそれほど難しくなく縫えました。造りが簡略化されてる上に丈が短いので着るのは難しいのですが、気軽に気楽に着ることができてお気に入りです。

 もともと興味があった、「きものを着たカラダがどうなるのか」については、まずは「カラダがしゃんとする」というのが感想です。骨盤を腰紐で締めるのがいいのか、ゴムを使わない衣服というのがいいのか、カラダに芯が入るような感覚があります。とくに腰が楽です。テニス試合のあとに着物を着て腰痛がおさまった時は驚きました。そこまで効果があるとは思ってませんでした。

 夏には実家にある浴衣や夏用のきものをもらう予定だったのですが、あまりの猛暑で出番なしでした。簡単きもの作りに夢中だったこともあり、着物練習は休んでいました。最近涼しくなったので、絣のきものを出して着てみました。下手にはなってなくて安心しました。

2023年9月27日のきもの。


 というわけで、1年着たらそれなりに上達したし、作る方にも興味がわいて、本格的ではない「簡単きもの」だけど作ってしまいました。それも2枚も。夏はその簡単きものばかり着ていたし、涼しくなった最近は寝間着として着ています。
 カラダの変化はなかなか自覚できませんが、テニスをしても筋肉痛にほとんどならないし、テニスエルボーの痛みも最近感じなくなって、体調は良いと思います。 
 日常生活できものを取り入れるのは、楽しくてカラダも楽で面白いです。着てお出かけするのは家族が反対していて今は難しいけど、いつかわかってもらえるかな。自宅でもいいから、これからもどんどん着たいと思います。


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