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きものを着たカラダ

1.きものへの興味は、「きものを着たカラダがどうなるか?」という点にあった。
 去年まで全くきものには興味がなかった私。きものよりも先に始めたのは、ふんどしや草履など。さらにその前にヒモトレやゴムを使わない手ぬぐいブラの体験があった。
 最初にヒモトレと出会って、ゴムを使わない下着として手ぬぐいブラとふんどしを着けるようになって、マンサンダルや草履を履くようになり、去年の夏には一枚布巻きスカートやウィシブルガを着るようになっていた。
 これらを知らない人はぜひ、調べて体験していただきたい。どれもカラダの楽や心地よさや新しい気づきが得られて、カラダの奥深さや不思議さを感じられてとても面白い。
 ともかくそういう流れがあって、「布を巻いてヒモで締めて着る衣服」であるきものに興味を持ったのだった。巻きスカートやウィシブルガも同じ構造だったので、「巻きスカートとかは腰から下だけど、きものは全身に布を巻くよね。どんな感じなのかなあ」と思ったのだ。

2.着てみた感覚は、「カラダがしゃんとする!」だった。
 きものを着ているときの感覚は、初めてのときも今も変わらず、「カラダがしゃんとする!」だ。
 しゃんとする、を詳しく表現するのが、ちょっと難しい。しゃんとする、はしゃんとする、なんだよなあ。体幹に支えができた感じというか、背骨がしっかりするというか。姿勢がよくなる感じがある。
 よい姿勢というと、背筋がピンと伸びるが、背中や腹筋に力が入り緊張するイメージだが、きものを着たときの姿勢にそこまでの緊張はない。しっかりした支えはあるけどリラックスしてるのだ。緊張とリラックスのバランスがちょうどいいのかもしれない。
 この感覚は、腰紐と帯のおかげなのだと思う。腰紐はウエストではなく、腰骨のところで締める。おへその少し下に紐の真ん中を当て、腰骨を通して後ろへ回す。仙骨の高さで交差させて締める。かなりきつく締めても緩んでちょうどよくなるから大丈夫。緩まないように前へもってきて結ぶ。
 腰紐は低い位置で締めるとおはしょりが長くなってオシャレ感がなくなるが、腰骨で締めるのが心地よいのだ。おはしょりを短くするためにおへそより上で締めると苦しくなってしまう。
 帯も同じように少し下で結ぶ。書籍などを見ると、胸の下に胸紐またはコーリンベルト、伊達締めをして、その上に帯とある。私は胸紐と帯だけのことが多いが、胸下で締めても結び終わってからお腹のほうに下げている。
 この骨盤を締めるような腰紐の位置と、すこし下で結んだ帯でお腹と腰を支える感覚が、シャンとする感じを生んでいるのではないだろうか。

3.腰・肩・背中の痛み
 
着物を着てびっくりしたのは、着ると腰が痛くなくなることだった。去年の秋にテニスの試合があったとき、帰宅したときには腰が痛くて体も疲れていたのが、着物を着たら楽になったのだ。そこまで効果があるとは思っていなかったので、改めて着物すごい! と思った。
 逆に困ったのは、着物を着たときに背中が痛くなることだった。とくに去年の秋〜冬の着始めてすぐの頃は洋服だと痛くない背中が、着物を着て帯を締めると痛くなった。最近は痛くならないので、胸紐の締め加減や位置の影響だったのかなと思う。バストのすぐ下で、襟が崩れないようにきつめに締めると、けっこう苦しいのだ。最近は胸紐をそんなに締めないし、帯の位置も低いから、背中が楽なのかも。
 肩こりについては、ほとんど変わらない。着物を着ても着なくても、凝る時は凝る。私は中学生のころから肩こりを自覚しているが、ずっと凝っているから1年きものを着たくらいでは変化を感じないのかもしれない。

4.きものを着たカラダは、しゃんとするし、楽にもなる!
 きものを着ると、カラダはシャンとする。これが1年練習してみた感想になる。背筋が伸び、それでいてリラックスできる。疲れているときに着ると楽になる感じがするし、場合によっては腰痛が消えることまである。
 お出かけや式などできちんと着る場合はまた別かもしれないが、自宅で気楽に着るぶんにはカラダにいいことばかりだと思う。まだ着始めて1年、きものを着たカラダについては、これからまだまだ発見があるかもしれない。それを楽しみに、これからもきものを着よう。


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