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アレックス・バナヤン『サードドア 精神的資産のふやし方』について

アレックス・バナヤン『サードドア 精神的資産のふやし方』を読む。

“「まずファーストドアがある。正面入り口のことさ。長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか気をもみながら99%の人がそこに並ぶんだ」

「次にセカンドドアがある。これはVIP専用入り口で、億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる」

「学校とか普通の社会にいると、人生にも、ビジネスにも、成功にも、この2つのドアしかないような気分になる。でも数年前から僕は、常に必ず……サードドアがあることに気づいたんだ。その入り口は、行列から飛び出し、裏道を駆け抜けて、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンを通り抜けたその先に、必ずあるんだ」”(334,335頁)

著者のバナヤンは、平凡な大学1年生だったが、視聴者参加型のクイズ番組を研究し、賞金を得たところからキャリアをスタートさせ、そこから紆余曲折ありながらも、わらしべ長者のように、ビル・ゲイツやレディ・ガガといった「成功者」へのインタビューを次々成功させた。

史上最年少映画監督であるスティーブン・スピルバーグは、17歳のときにユニーバーサル・スタジオのバスツアーを抜け出し、こっそり社内に潜入。そこで様々なスタッフや警備員と談笑し仲良くなることで、正式なスタッフでもないのに、ユニーバーサル・スタジオへのパスポートを獲得した。こういったサードドア的なエピソードを中心とした「成功者」へのインタビューと、それまでの経緯が、本書にはたくさん収録されている。

ただし、ただ単純に「コネを作りましょう」というわけでもない。もちろんスピルバーグは自主的に映画を撮っているし、最終的にそれがユニーバーサル・スタジオの人たちに見つかって評価されないと、正式な監督契約まで辿り着くわけがない。

人生を、様々な縁起をよりどころとして生きるには、常にサードドアを探しつつ、絶えず自身のポテンシャルを磨いておかなければならない。

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